2026/06/25

【成功する沖縄移住】夏、洗濯物は外に干さない!

沖縄といえば青い空、白い雲、そしてギラギラの太陽。「それなら洗濯物なんて、外に干せば一瞬で乾くでしょ?」と思う人も多いかもしれない。しかし、沖縄で暮らし始めて気付くはずだ。「あれ? みんな意外と外に干していないぞ…」。南国の強い日差しが降り注ぐのに、なぜかベランダには洗濯物が見当たらない。実はそこには、沖縄ならではの事情が隠されていた。

 

日差しは強い。でも強すぎる

沖縄の夏は、とにかく日差しが強烈だ。
「よし、今日は快晴だから外干しだ!」と思ってベランダに出したはいいものの、数時間後にはTシャツの色が心なしか薄くなっているような気がする。
もちろん気のせいかもしれない。しかし、紫外線が強いのは事実。
お気に入りの服ほど色あせしやすく、黒いシャツなどは数年後、「これ、本当に黒だったっけ?」という微妙な色合いになっていることもある。
さらにタオルも油断できない。
本土なら「太陽のにおい」がして気持ちいいはずなのに、沖縄の真夏では「カラッカラ」を通り越して、ゴワゴワの板みたいになることもある。
ありがたい太陽も、ちょっと頑張りすぎなのである。

これだけの強烈な日差しのなかで干すのは、洗濯物がかわいそう。

 

晴れていても、突然のスコールがやってくる

沖縄の夏の空は気まぐれだ。朝から青空が広がり、「今日は一日晴れだな」と安心して洗濯物を干して出掛ける。
ところが昼過ぎになると、突然バケツをひっくり返したような。しかも30分後には何事もなかったかのように再び晴れている。
「なんだよ、さっきまでバケツ雨だったに!」と思わず空にツッコミを入れたくなる。
問題は、その時自分が職場にいることである。帰宅してみると、朝よりびしょ濡れになった洗濯物が風に揺れている。
乾かそうとして外に出したのに、もう一回洗濯したような状態。これを何度か経験すると、人は学習する。
最初から部屋干しでいいんじゃね?」
文明とは、失敗の積み重ねによって進歩するものなのである。

外干しは「雨に濡れてもかまわん」くらいの覚悟があればいいけど・・・

 

ウチナーンチュは部屋干しの達人だった

そんな事情もあってか、沖縄では部屋干し派が意外と多い。除湿機、サーキュレーター、浴室乾燥機。
これらは家電量販店の片隅に置かれたマニア向け商品ではない。沖縄では立派な生活必需品だ。
洗濯物の下からサーキュレーターで風を送り、除湿機で湿気を吸い取る。
その結果、驚くほどよく乾く。しかも急な雨を心配して外を気にする必要もない。
台風が近づいてきても慌てて洗濯物を取り込まなくていい。
ある意味、ウチナーンチュは部屋干しのプロフェッショナルなのである。
本土から移住した人も、最初は「洗濯物を家の中に干すなんて……」と思っていても、半年もすればサーキュレーターの風向きを研究し始める。
そして一年後には「この配置が一番乾くんだよ」などと、新人移住者に講釈を垂れるようになる。
移住人も成長するのである。

部屋干しは除湿器、サーキュレーターor扇風機、エアコンの3セットが基本。

 

結局、洗濯物も沖縄流になる

もちろん、外干しをしている人もたくさんいる。
午前中だけ干して取り込む人もいれば、天気予報と雨雲レーダーを駆使して勝負する人もいる。
ただ、沖縄で暮らしていると、「絶対に外干し」という考えにはあまりこだわらなくなる。
乾けばいい。
ふんわり仕上がればなお良し。
そんな、おおらかな気持ちになってくる。
移住前は「太陽の下で乾かした洗濯物こそ正義」と思っていた人も、気が付けば部屋干し派になっているかもしれない。
沖縄の夏は暑い。
紫外線も強い。
スコールも降る。
台風もやってくる。
それでも、エアコンの効いた部屋で静かに揺れる洗濯物を眺めながら「まあ、これでいいさ」と思えるようになったら、沖縄暮らしにもだいぶ馴染んできた証拠だ。
洗濯物の干し方ひとつにも、「なんくるないさ」の精神が宿っているのかもしれない。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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あとぅまさい かふう残り物には福がある