2026/09/10

【成功する沖縄移住】魚を漁港で食べよう読谷「海人食堂」

沖縄に移住したら、海の近くで暮らしたい。そう考える人は多いだろう。ならば魚を食べる場所も、ちょっと変えてみたい。今回紹介するのは、読谷村の都屋漁港にある「海人食堂」。観光客向けの華やかな店とはひと味違う、漁港ならではの魚料理が楽しめる食堂である。

 

観光地を目指すのではなく、漁港を目指す

沖縄で魚を食べようと思ったとき、つい「海が見えるおしゃれなレストラン」や「観光客に人気の店」を探してしまう。
もちろん、そうした店も楽しい。 しかし、沖縄に移住して暮らすなら、一度は足を運んでみたいのが漁港である。
読谷村にある都屋漁港は、国道58号から少し入ったところにある。その一角にあるのが、読谷村都屋漁港水産物展示販売等施設。
1階には鮮魚を扱う店があり、その2階に「海人食堂」が入っている。
つまり、魚を水揚げする場所と魚を売る場所、そして魚を食べる場所が、ほぼ一つの場所に集まっているわけだ。
この「魚を食べに漁港へ行く」という感覚が、なんとも沖縄らしい。

建物に入ると、まず1階の鮮魚店が目に入る。新鮮な魚や刺身、沖縄天ぷらなどが並び、食堂へ上がる前から魚の匂いに食欲を刺激される。
観光地のレストランに入るときとは、少し違うワクワク感がある。 「今日は何の魚があるのだろう」 そんなことを考えながら2階へ向かうのである。

読谷村の都屋漁港内にある建物の2階に店がある。目の前で揚がった魚を料理するので新鮮に決まっている。

 

海鮮丼だけではない、沖縄の魚料理

海人食堂と聞くと、まず海鮮丼を思い浮かべる人が多いかもしれない。 実際、マグロ丼、海ぶどう丼、ねぎとろ丼、海人丼など、魚介を使った丼メニューが用意されている。
ほかにも、魚バター焼き定食や魚唐揚げ定食、さかな汁などがある。 面白いのは、「魚を食べる」といっても、必ずしも刺身だけではないことだ。
沖縄の食堂では、魚を汁物にしたり、バター焼きにしたり、唐揚げにしたりと、さまざまな食べ方が登場する。
なかでも沖縄らしい料理として知られているのが、さかな汁やイカスミ汁だ。
イカスミ汁は、イカの身とイカスミを使った沖縄の郷土料理。黒い見た目には最初ちょっと驚くかもしれないが、魚介の旨みがしっかり楽しめる料理である。
「せっかく漁港まで来たのだから、海鮮丼」という選択ももちろん正解。 しかし、移住者目線なら、あえて沖縄らしい魚料理を選んでみるのも面白い。
本土ではあまり食べる機会のない料理に出会えるのも、沖縄で暮らす楽しみの一つだからだ。

海人丼はいわゆる海鮮丼でアーサ汁が付いて1950円。

 

1階で買って、2階で食べるという楽しみ方

海人食堂の面白さは、2階の食堂だけではない。 1階には鮮魚を扱う「いゆの店」があり、魚や刺身などを購入できる。
食堂の情報では、1階で購入した天ぷらを2階で食べることもできるという。 これが、いかにも漁港らしい。
普通の飲食店なら、席に座ってメニューを眺め、注文して料理を待つ。 ところがここでは、まず1階で魚を見る。
「これ、おいしそうだな」 「この魚は何だろう」 と品物を眺め、それから2階へ。
魚を買う場所と食べる場所が同じ建物にあることで、食事そのものがちょっとした社会科見学になる。
沖縄に移住すると、こうした「地元の店を覗いてみる」という楽しみが増えていく。
観光旅行なら目的地だけを目指してしまうが、暮らし始めると、途中の店や市場、漁港が気になってくる。
そして、そういう場所で食べるご飯が意外と記憶に残ったりする。

ミーバイ(ハタ)バター焼き定食、ごはん、アーサ汁、酢みそ和えが付いて1200円。

 

「沖縄で暮らす」が少し見えてくる場所

海人食堂は、豪華なリゾートレストランとは違う。 だからこそ、沖縄移住を考えている人には一度訪れてみてほしい場所である。
沖縄で暮らすということは、毎日海を眺めながら暮らすことでもなければ、毎日沖縄料理の有名店に通うことでもない。
近所のスーパーで魚を買い、たまには漁港の食堂で昼ご飯を食べ、帰りに鮮魚店を覗いてみる。
そんな普通の日常の中に、沖縄らしさがある。 都屋漁港の海人食堂には、その「普通の沖縄」を感じさせる雰囲気がある。
しかも、食堂は海を感じられる立地で、テラス席も用意されている。
観光客でいっぱいのリゾートエリアとは少し違う、漁港の空気。 船が並ぶ港を眺めながら魚料理を食べていると、「沖縄に来た」というより、「沖縄で暮らしている」ような気分になってくるから不思議である。
移住先を探しているなら、住宅情報だけを見るのではなく、その土地でどこへ買い物に行き、どこで昼ご飯を食べ、どんな場所で地元の人と出会うのかも見ておきたい。
そう考えると、漁港の食堂は意外と重要な場所なのかもしれない。 「海の近くに住みたい」と考えて沖縄へやって来た。 その先に、「今日は魚を食べに漁港へ行こう」という日常が待っている。
都屋漁港の海人食堂は、そんな沖縄移住の一場面を想像させてくれる場所である。
次に読谷村を訪れるときは、観光スポットだけでなく、少し寄り道して都屋漁港を目指してみてはいかがだろう。
魚を食べに行ったはずなのに、帰るころには「こういう沖縄暮らしもいいな」と思っているかもしれない。

ガチュン(メアジ)唐揚げ定食、ごはん、アーサ汁、酢みそ和え付いて1200円。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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