【成功する沖縄移住】400年以上続く那覇大綱挽がすごい
沖縄の秋を代表する伝統行事といえば那覇大綱挽(なはおおつなひき)。世界一の大綱としてギネス記録にも認定されており、2025年は10月11日から13日までの連休に開催される。地域の誇りと結束を象徴する一大イベントだ。今回はこのイベントを紹介してみる。
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交易都市那覇に住む人々の心意気を表す
那覇大綱挽は1600年代から行われていたとされるから、400年くらいの歴史を持つ。
土台は稲作文化だが、交易都市として発展する那覇のなーふぁんちゅー(那覇人)の心意気を発揚する行事として成立したという。
現在のように大規模になったのは戦後の復興期以降であり、1971年から那覇大綱挽まつりとして正式に復活した。
以来、地元市民だけでなく県外や海外からも多くの観光客が訪れる沖縄最大級の祭典となっている。
大綱挽の主役は、東(あがり)と西(いり)の両軍に分かれて挽き合う巨大な綱である。
長さおよそ200m、重さ40トンにもなるわら縄が使われ、その中心部でカヌチ棒と呼ばれる巨大な木の杭を使って東西の綱を連結する。
この連結の瞬間は見どころの一つであり、会場からは大きな歓声が上がる。

結合部は「カヌチ」といい、女綱と男綱が「カヌチ棒」でつながれると挽き合いが始まる(©OCVB)
15,000人以上が挽き合う
挽き合いが始まると、両軍合わせて15,000人以上の挽き手が一斉に綱を握り、東西の勝負が繰り広げられる。
掛け声は「ハーイヤ、ハーイヤ」で、気迫あふれる挽き手たちの声と太鼓の音が響き渡り、周囲は熱気に包まれる。
勝負時間は30分間と決められており、終了時点でどちらの陣地側に綱の中心があるかで勝敗が決まる。
勝った側には「豊穣」「商売繁盛」などのご利益があるとされており、古くから那覇の人々にとっての吉兆行事だった。

基本、東と西の対決だが、中山王「尚巴志」 VS 南山王「他魯毎」の対決というパフォーマンスもある(©OCVB)
綱の一部を持ち帰るとご利益が
また、綱の小さな一部を持ち帰ると家内安全・無病息災のご利益もあるといわれ、多くの人が挽き終わった後に綱を切り取って持ち帰る姿が見られる。
土産物店では、その小綱をお守りとして販売していることもあり、祭りの余韻を持ち帰る楽しみの一つとなっている。
那覇大綱挽きのもう一つの魅力は、綱挽き以外の催しにもある。
メイン会場の久茂地交差点周辺では、琉球舞踊やエイサー演舞、パレード、ライブステージなどが繰り広げられ、那覇の中心街がまるごと祭り一色に染まる。
連休の3日間、国際通りや那覇市中心部は観光客と地元客であふれ、まさに那覇の秋の風物詩といえる盛り上がりを見せる。

那覇市の人口が31万人あまりだから、20万人が訪れるとというのは、とんでもない規模の祭り(©OCVB)
20万人以上が訪れる一大観光イベントにも
綱挽きは単なる観光イベントではなく、地域の結束と歴史を伝える重要な文化遺産でもある。
綱を作るためには、数カ月前から地域の人々が協力してわらを撚り合わせ、巨大な綱を編み上げる。
若者から長老までが力を合わせて一本の綱を完成させる過程そのものが、那覇のコミュニティを支える象徴的な営みとなっている。
また、近年では観光振興の側面からも注目されている。
まつり期間中には国内外から20万人以上が訪れるとされ、ホテルや飲食店も大いに賑わう。
特に外国人観光客にとっては東洋最大の綱挽きとして興味深い体験であり、SNSなどを通じて世界に発信されている。
雄大なスケールと人々の熱気、そして歴史が息づく那覇大綱挽きは、まさに沖縄の魂を感じることのできる祭りだ。
綱を挽く人も、観る人も、そこに集うすべての人が一体となる瞬間に、この島の力強さと温かさが凝縮されている。
沖縄に住んだら、一度はその迫力と感動を体験してみたいものである。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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