2023/07/20

【成功する沖縄移住】ウチナーンチュ気質を表す「キーワード」を知ろう①

はっきりいって日本人とウチナーンチュでは人柄が違う。気候が違い、歴史が違い、文化が違い、そもそもDNAからして違うのだから当然だ。これを頭に入れ、ウチナーンチュ気質を理解すれば、自然に沖縄社会へ溶けこめて、しかも快適に暮らせる。ウチナーンチュ気質はいくつかのキーワードで表すことができる。

 

ナンクルナイサ志向

ナンクルナイサ」は「なんとかなるさ」という意味。金がなくても、仕事がなくても、食べるものがなくても、なんとかなるさとニッコリ笑うのだ。

一種のポジティブ志向で、南国的楽天主義ともいえるが、長い長い貧困の時代にはこうでも思わないと生きていけなかったのである。もとは命がけの開き直りだったのだ。

現在のナンクルナイサはもっと広い意味を持つが、沖縄で肩を叩かれながらそういわれたら、とりあえずは「がんばりなさい」と励まされているのだと解釈しよう。

 

テーゲー主義

テーゲーは適当という意味。もしかしたら大概が変化した言葉かもしれない。よくいえばおおらか、悪くいえばいい加減なこと。ウチナーンチュのいい面でもあり、悪い面でもある。

根底にあるのは、「私はあなたに迷惑をかけるかもしれないが許してくれ。そのかわりあなたが私に迷惑をかけても許す。だからお互いさまじゃないか、わっはっは」という意識だろう。

 

ウチナーコンプレックス

沖縄のものは、人間であれ産業であれ工芸であれ、すべてが日本本土に劣るという意識。50代以上の人はこれが強い。

明治政府の皇民化政策によって、ウチナーンチュは日本人になるよう強要されたことが根底にある。

日本化は琉球文化の否定につながるのだ。60代以上だと、ウチナー口を使ってはいけないと教育された人もいる。言葉も否定されていたのである。

中高年のウチナーンチュと接するときは、このコンプレックスを刺激しないように注意しよう。「沖縄の人はリテラシーが低い」と移住者がいうのを聞いたことがあるが、夜道には気をつけた方がいい。

1972年の復帰のころ、まだまだうちなーぐちをしゃべってはいけないと先生などにいわれていた。皇民化政策の名残りである。三線を弾きながら歌う人間などは不良といわれていた。言葉の否定は音楽の否定につながり、それは文化の否定にもつながるのに、である。

 

甲子園フェチ

甲子園に出る沖縄の高校を県民あげて応援すること。近年、沖縄のチームは春夏連続優勝するなど強くなっているが、昔は弱くてどうしようもなかった。

1回戦を突破するだけで全県民が歓喜の渦に巻きこまれたものだ。アメリカ統治時代は原則として甲子園に出場できなかったので、レベルが低かったのである。

最近はそれほどでもないが、以前は試合が始まると、普段は混雑する国道58号線がガラガラになる光景も見られた。というか、試合を見ないヤツは非国民ならぬ非ウチナーンチュ扱いされることすらあった。

別に野球が好きというわけではない。バントとバンドの違いすら分からないオバサンも黄色い声で絶叫しながら応援するのだ。

これは、地元に対する強い愛着によるもの。ナショナリズムに近いほどの地元意識の表れなのだ。また、自分たちをいじめてきた大国への反抗意識、前述のウチナーコンプレックスの裏返しでもある。

ちなみに、現役時代の具志堅用高に対する応援も甲子園チームに対するのと同じ意識が根底にある。そのため、用高がタイトルを失ったとき、沖縄中が失意のどん底に突き落とされたものだ。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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