【成功する沖縄移住】夏の「野菜不足問題」とウリ系のがんばりを知ろう
沖縄といえば健康野菜の宝庫というイメージがあるが、実は夏は暑すぎて葉野菜が栽培できないという問題が昔からあった。それを補ってきたのがウリ系の野菜だ。今回は、ウリはエライというお話である。
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太陽にきたえられる沖縄野菜
沖縄野菜の特徴は、ビタミンをたくさん含んでいること。もちろん、降り注ぐ太陽の光をたっぷり浴びるからである。
そのおかげでガンも抑えるほど強力な健康パワーを持っているのだ。沖縄野菜をおいしく食べることは健康にもよいのである。
オジィオバァたちが元気なのは、野菜をいっぱい食べているからだといわれる。
沖縄初心者が市場へ行くと、見たこともないような野菜が並んでいることに驚くはずだ。キャベツ、レタス、大根などといった一般的な野菜は、スーパーで買いなさいとでもいいたそうだ。
暑すぎて夏は葉野菜がとれない
ところがである。昔から沖縄の人々が頭を抱えてきた問題がある。夏に葉野菜がほとんどとれないという地域特性だ。
沖縄の夏の直射日光はすさまじい。露地に苗を植えてもすぐに枯れてしまう。かといって、ビニールハウス内の気温は50℃を超えるから、作物の前に作業する人間が倒れかねない。
一般に野菜は25℃以下でないと育たないといわれるので、夏に葉野菜が栽培できないのは当然といえば当然だ。35℃でも大丈夫なサトウキビやゴーヤーは例外的な存在といってよい。
せっかく育てても台風で壊滅
さらに台風の問題もある。夏から秋にかけて襲来する台風は、沖縄を通過するあたりで勢力が最大になり、しかも速度を落とす。
ひどいときにはすさまじい風雨が2、3日続き、さらに海水も吸い上げてまき散らすため塩害ももたらす。
こうなると葉野菜畑など、ひとたまりもなく壊滅する。
沖縄夏野菜の中心はウリ系である
それでも、夏にもなんとか作れる野菜を育ててきた。それがウリ系なのである。いくつか例をあげてみよう。
夏野菜の代表であり、沖縄野菜の4番バッターでもあるのが、やっぱりゴーヤーだ。ほろ苦さがなんともいえずうまい。好きな人はあのつぶつぶを見るだけで条件反射的に唾液が湧くらしい。
たわしや化粧水の原料のへちまも沖縄ではナーベラーと呼ばれる立派な夏野菜。ナスのような滑らかな食感とかすかな甘さはくせになる。
ウリ系の夏野菜で忘れてはいけないのがシブイ。すなわち冬瓜(トウガン)である。味はとても淡泊で、ほとんどないといってもいい。なのに肉や魚といっしょに煮込むと、主役のうまみが染みて実にうまい。
たとえば、ソーキ汁にシブイは欠かせない。ソーキを食べ尽くしても汁とシブイが残っていればおいしく食べられる。
シブイは日本料理ではあまりお目にかからないが、沖縄では非常にポピュラーな野菜だ。シブイの4と冬瓜の10にかけて、4月10日をシブイの日としているほどである。
野菜としてだけはなく、砂糖で煮た伝統のお菓子も作られている。
ちなみにシブイは基本的には夏野菜だが、暗いところに放っておくと冬まで保つといわれる。そのために夏野菜なのに冬の瓜と書くらしい。
今どきは真夏でも本土などから葉野菜が入ってきてスーパーなどでも簡単に買えるため、ウチナーンチュが野菜不足を意識することはあまりない。
だが、この野菜不足を昔から補ってきたのは、ふだん何気なく口にしているウリ系野菜だということは覚えておきたいものだ。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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