2023/03/04

【成功する沖縄移住】移住希望者には一度経験してもらいたい「キビ刈り」

3月に入ってポカポカ陽気の日が増え、本島の東村ではつつじ祭りなども始まっている。それと同様、この時期における風物詩といえば、キビ刈り、つまりサトウキビの収穫である。今回はキビ刈りを単なる風景ではなく、仕事の一種ととらえてその実情を少し紹介してみたい。

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サトウキビの収穫は冬場がシーズン

キビ刈りは、ウチナー口でウージトーシともいう。ウージはサトウキビ、トーシは倒しだ。

シーズンは毎年12月後半から3月いっぱいくらい。この時期、特に離島では人手が足りず、JAを通して作業員の募集がされていたりする。

期間限定なので、沖縄でいうキセツ(季節労務)のようなものだが、沖縄暮らしの体験としてはいいかもしれない。

ウージトーシは、基本的には家族や親類縁者で土日祝日に行うことが多い。それでも人手が足りないときには人を雇ったりする。

 

3ヵ月やれば貯金もできる

給料としては手取りで月額15万円くらいらしい。安いようだが住み込みなので住居費はかからない食事手当もあるようなので食費も安く済む。

3ヵ月働いて、ムダ遣いをしなければ30~40万円の貯金も可能だ。

また、サトウキビ農家との個人的なつながりで、1日単位のアルバイトも可能だ。バイトの場合、時給は1000円くらいからだろう。

 

カラダ的にはけっこうキツイ

月単位にせよ1日単位にせよ、この仕事を経験しないで、自分は沖縄フェチだとか沖縄病患者だとか口にしてはいけない、といいたいところだが、それはご無体というものだろう。

ウチナーンチュは、できればこの仕事だけはしたくないと思っているし、筆者自身やったことがない。

なぜそんなに嫌がられるのかというと、単にキツイからである。一説によると、土方の数倍キツく、手の皮も肩の皮もむけるという。体育会系筋肉至上主義者か、Mっ気のある人向けかもしれない。

収穫したサトウキビは道端に積んでおくと、あとでトラックがやってきて製糖工場に運んでくれるシステム。

 

慣れれば大丈夫だがハブには注意

とはいえ、最初は筋肉痛に苦しむものの、次第に慣れるものだという。農家のおばさんが涼しい顔でやっているので、慣れればどうということはないのだろう。

冬場中心なので暑さにはそれほどビビらなくてよいが、雨が降ったら寒さがつらいだろう。

それと、いちおうハブには注意したい。かまれたら、死なないまでも悲惨な後遺症が残る可能性がある。

作業自体は単純だ。サトウキビを小さな斧で切り倒し、カマで葉っぱをはぎ、ある程度まとめてひもでしばり道端に積み上げるか、トラックに積むという流れである。

 

サトウキビで車が走る?

ところで、ブラジルやアメリカではバイオエタノールが車やバイクの燃料として使われているそうだ。バイオエタノールというのはトウモロコシやサトウキビからも作ることができる代替燃料である。

つまり、ガソリンの代わりにサトウキビで車が走るというわけだ。日本全国は無理としても、沖縄のみでも実現できないものだろうか。

いちいち加工せずに、サトウキビをタンクに放りこむだけでクルマが走るようになったら最高だと思う。

ガス欠になったら、畑でこっそり抜いてタンクに入れればいいし、ガソリンスタンドでサトウキビを売るようになるかもしれない。

店員が「外車にはハイオクのウージがいいですよ」とかいいそうだ。

サトウキビの搾りかすをバガスといい、ボイラーの燃料や紙製品の原料などとして活用されている。

 

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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