2024/10/02

【成功する沖縄移住】秋はお宝フルーツの島バナナが食べたい!

10月に入って朝晩多少は涼しくなってきた。この時期沖縄ではバナナが旬のまっ最中。一般的なものではない。島バナナだ。今回は、なかなか口にできないこの高級フルーツについての一席を。

 

島バナナ協会という社団法人もある

島バナナは、沖縄で採れる長さ10cmほどの小ぶりのバナナである。
気象予報士としてTBSテレビなどでおなじみの森田正光さんが会長を務める島バナナ協会という一般社団法人があるそうで、そこのホームページによると、島バナナは小笠原種バナナともいうそうだ。
フィリピンあたりの短めのバナナが小笠原諸島経由で沖縄に伝わり、根付いたのだという。
似たような品種でモンキーバナナというのがある。日本で販売されているモンキーバナナの多くはフィリピン産だ。
もちろん、島バナナとは別物で味も全然違う。ぶっちゃけゆって、島バナナの方がはるかにうまい

収穫後の島バナナは、テーブルなどに放っておいても色がどんどん黄色に変わっていき、それに合わせるように香りも強くなってくる。この変化を観察するのも楽しい。

 

そのうまさは感動的

島バナナは前述のように普通のバナナに比べると小さい。しかも、シュガースポットが散り始めたかと思ったら、あっという間に全体が黒くなる
つまり、見映えがよくない。インスタ映えもしない。だが、ムチャクチャうまいのだ。
一度食べてみると一瞬でわかるが、今まで食べていたバナナはなんだったのかと思うほど美味だ。
まず、普通のバナナより甘みが強く香りがすばらしい。少し酸味もあるが、濃厚な甘味とのバランスがいい。
果肉はしっかり感があり、ねっとりとした食感。といっても柔らかすぎず、かつ弾力があるため、食べ応えがある。

完熟するとあっという間に皮が黒っぽくなるので、一見傷んでいるように見えるが、この状態が最もおいしい。渋味がまったくなくなり、甘味と酸味のバランスが絶妙なのである。

 

昔は子どものおやつにも

昔は民家の庭にも普通に島バナナの木が生えていたもので、実がつくのが楽しみだった。1セットの実の数は100本を超えたりする。
筆者の実家では収穫は豪快に行っていた。高いところにある実だけを切り取るのは面倒なので、ナタを振るい、木ごと根っこからたたっ切る
木を倒しておいて実のついた部分をノコギリかなんかで切り離す。
それを家の中に吊しておくと、最初は緑色だったのがだんだんと黄色みを帯びてきて、えもいわれぬ芳香を放つ
シュガースポットが広がるころには皮が裂けたりするが、このあたりがちょうど食べごろだ。
薄い皮をむいて口の中に放りこむ。もうやめられない。5本や10本は軽くいける。子どもにとっては最高のおやつだった。

実は木にぶら下がった状態では青く、適当なところで木ごと切り倒して収穫し、追熟させる。

 

値段は一般的なバナナの10倍にもなる

ところが、島バナナは生産量が少ないため、買うとなったら値段が高い。フィリピン産はキロ300円ぐらいのものもあるが、島バナナは高いときにはキロ3000円ぐらいになったりする。
なぜ高いかというと、栽培農家が少ないからだ。島バナナ専業農家というのは聞いたことがない。
また、島バナナの旬は9月から10月であるが、夏場には台風が来る。丹精込めて育てても、実の重みで重心が高くなったバナナの木は強風で簡単に倒れてしまい、収穫はおぼつかない。
フィリピンや中南米ではともかく、沖縄でのバナナ栽培は割に合わないのである。
というわけで、味は最高だが値段も最高だ。やんばるの家々をまわって仕入れ、中国に輸出したらかなり儲かるのではないか。島バナナ御殿が建ったりして。

実はややねっとり感が強いが、熟してもあまり柔らかくならないため、歯応えがとてもいい。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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