【成功する沖縄移住】県民食の「ポーク缶」が値上がりして困っている話
年が明けて2023年になった。おめでたいといいたいところだが、頭痛の種もある。物価高だ。
特に筆者の主食であるポーク缶の値上がりはフトコロを脅かすほどだ。今回は半分グチになるが、ポーク缶についておさらいしてみたい。
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ポークはスパムが有名だが、ほかにもブランドがある
便宜上ポーク缶と書いているが、正確にはポークランチョンミートといい、沖縄では単にポークと呼ばれる。
商品名としてはスパムが有名だが、沖縄でもっとも有名なのはデンマークのチューリップである。次がアメリカのスパムという感じ。
ほかにオランダ産、中国産、県産なども出回っている。ちなみに中国産は午餐肉(ランチョンミートの中国語訳)と表示されている。
ところで、ハワイに「スパムむすび」という食べ物がある。でもチューリップで作ったら「チューリップむすび」というのだろうか。
こっちの方は花を連想させるし、迷惑メールのイメージよりはいいのかもしれないが。
スパムメールの語源もこれ
その一方的に送りつけられてくる迷惑メールだが、一般にスパムメールといい、その語源もポーク缶のスパムである。
1970年代に始まったイギリスのコメディ番組で「スパム、スパム、スパム・・・」と延々とくり返すコントがあり、これを語源として大量の迷惑メールを送りつける行為をスパムと呼ぶようになったという。
ヨーロッパ戦線で野戦食、沖縄でおふくろの味
さて、ポークの正体は、豚のくず肉をすり身にしてラードや香辛料などを入れて固めたもの。簡単にいうと、ソーセージの中身を動物の腸ではなく型に詰めたものだ。
もともとは第2次世界大戦時の連合国の野戦食で、アメリカ、イギリスはもちろん、旧ソ連の兵隊にも供給された。
長期保存ができて、調理せずそのまま食べられるので重宝されたが、毎日のように食べさせられて「あんなもん、二度と食いたくない」と呪う兵士もいたという。
たしかに、そのまま食べるとあまりに脂っこくてだんだん気分が悪くなってくる。
戦後、この野戦食が米軍からの配給や横流しで沖縄社会に出回り、豚肉に飢えていたウチナーンチュに大歓迎された。
野菜や豆腐といっしょに炒めてチャンプルーにしたり、みそ汁に入れたり、薄切りにして焼いたり、サンドイッチにしたりと、さまざまな料理に応用されて沖縄の食生活に欠かせないものになった。
筆者も子どものころは、5mmの厚さのポーク1枚でごはんを1膳食べたものである。それはほとんどおふくろの味だった。
値段は現在1.5倍
スパムは2022年の前半まで、通常価格が1個378円だった。しかし、けっこうひんぱんに安売りしており、その際は最安198円だった。筆者は安売り時にできるだけ買い集めるようにしていた。
ところが2022年の秋ごろに安売り価格が315円くらいになったので、超驚いた。その後少し下がったが、それでも298円である。
これは買えない。金額そのものよりも、半年前に比べて1.5倍になったという事実に、買う気が劇下がりしたのである。買う気が戻るには収入が1.5倍にならなくてはならないが、そんなもん無理である。
というわけで、今悩んでいる。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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