2023/02/08

【成功する沖縄移住】貞淑な若妻のような島豆腐を食べる「豆腐チャンプルー」

タイトルにある「貞淑な若妻のような」というのは、島豆腐は身持ちがいいという意味である。その味わいとともに、しっかりした食感が魅力のひとつなのだ。
以前このコーナーの記事で、業界への「HACCP(ハサップ)」の導入によって島豆腐が危機的状況にあるというトピックを紹介したが、筆者としては島豆腐が品薄になって食堂で豆腐チャンプルーが食べられなくなるのではないかと心配している。それほど愛着があるので、あらためてこの料理の魅力を少し話してみたい。

 

豆腐チャンプルーは、島豆腐の嫁入り

豆腐チャンプルーは、島豆腐の嫁入りのようなものである。

夫となる野菜に寄り添い、姑である肉に仕え、それらを引き立て、うまみに染まり、全体としてみごとな調和を表現する、幸せな花嫁だ。

この場合、主体が島豆腐なので夫、野菜は引き立て役なので妻だという意見もあるが、単なる男性優位の発想なので却下。

それに、島豆腐の白くてみずみずしい肌は、どっから見ても若妻のそれである。しかも、さんざんかき回されても崩れない身持ちのよさは、しっかり嫁の見本というしかない。

豆腐チャンプルーは、どこの食堂でもまずハズレがない。というか、これがマズイ食堂には行かない方がいい。

 

野菜チャンプルーとはほぼ兄弟

作り方は、フライパンでまず島豆腐を軽く炒めていったん取り出し、野菜や豚肉やポークを炒め、島豆腐を加え、塩やしょう油で味をととのえるだけ。

以前、行きつけの居酒屋で「野菜チャンプルーひとつと豆腐チャンプルーひとつ」と頼んだら、「ヤー、フラーアラニ(おまえはアホか)」と、怒られてしまった。

どっちも同じってば。豆腐の量が違うだけよ。めんどくさいから、どれかひとつにしれ」というのだ。

野菜炒めに島豆腐を加えれば豆腐チャンプルーになるのである。

シチューを作っていたら、突然インド人が訪ねてきたのでカレー粉をぶちこんでカレーライスに変えました、みたいにフレキシブルな料理なのだ。

こちらは食堂で頼んだ野菜チャンプルー。たしかに豆腐の量が若干少なめな気がするが、大して変わらない気もする。

 

絹ごしで豆腐チャンプルーは無理

いかに柔軟性にすぐれた料理とはいえ、豆腐チャンプルーを柔らかい絹ごしで作るのは至難のワザ。結局、島豆腐の固さがこの料理の命なのである。

「豆腐の角に頭ぶつけて死ね」といったりするが、島豆腐の場合だと固くてシャレにならないので、「沖縄そばで首つって死ね」といおう。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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