【成功する沖縄移住】染織の分野にすい星のごとく現れた期待のエコ工芸「ウージ染め」
サトウキビ収穫の最盛期だし、このところ伝統工芸についての記事をアップしているので、そのつながりでウージ染めを取り上げてみたい。伝統とはいえないが、沖縄工芸の新星といえる存在だ。
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サトウキビの葉と穂を使う染織物
ウージはサトウキビのこと。ウージ染めは、サトウキビの葉や穂で染めた染織物である。
ちなみに布地を染めたものを「染め」といい、糸の状態で染めて織り機で織ったものを「織り」という。
ウージ染めの場合、糸を染めてから織る場合と、織ってから染める場合の両方のケースがある。
伝統というより新しい工芸
ウージ染めが知られるようになったのは、ここ30年あまりのこと。その意味ではまったく新しいもので、伝統工芸ではない。
平成元年に豊見城村(現豊見城市)商工会が進めるまちづくり事業で、村の特産品として開発されたものである。提案したのは、ひとりの主婦だったという。
商品としては、コースターや名刺入れといった小物から、きんちゃく、バッグ、ネクタイ、のれん、タペストリー、テーブルセンター、さらにはかりゆしウェアまでそろっている。
沖縄県産業まつりで、ネクタイが県知事賞を受賞したこともある。
意外に色のバリエーションもある
色は、渋めの若草色を基本として、黄緑色、うぐいす色、ベージュ、黄金色、ピンク系と、思ったよりバリエーションがある。
全体的には派手さよりも素朴さが身上で、なんだか夏のさとうきび畑から吹いてくる風のような、涼やかな色合いである。
バッグはオバァに愛用されそうな風合いだが、浴衣のお嬢さんが片手に提げていてもよく似合いそうだ。沖縄の女性には、ブランドバッグよりウージ染めの方がはるかにマッチすると思う。
さらにいえば、案外和服にも合うような気がする。着物のあでやかな柄を引き立てるのではないだろうか。
おまわりさんの制服などにも活用できないか
しかし、捨てられるだけだったサトウキビの葉や穂でこんなに美しい工芸品が作れるとは思ってもみなかった。
ウージ染めのかりゆしウェアも売られているくらいだから、おまわりさんの制服、モノレールの駅員の制服、囚人服などもウージ染めにしたらどうだろうか。エコにもなるし。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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