2025/06/07

【成功する沖縄移住】58号線は日本最長国道って、知ってた?

沖縄の大動脈とされる国道58号線。大動脈どころか実は日本最長の国道だ。「本当か?」と疑う人はぜひ読んでほしい。

 

起点は那覇市内ではなく鹿児島市内

国道58号線はゴッパチとかゴーハチなどと呼ばれてウチナーンチュに親しまれている。
そして、県民の大部分は58号線を、那覇市の明治橋を起点に本島西海岸を北へ延び、国頭村の奥集落で終わる道と思っている。
これが間違いなのだ。実は一般国道58号線は鹿児島市内を起点として、種子島や奄美大島を通って沖縄本島に上陸。そして南下して那覇市の明治橋で終わるのが正式なのである。
つまり、鹿児島県と沖縄県にまたがっているのだが、途中には海がある
橋がかかっているわけではなく、海中道路もない。実際には道がないのだ。
だが、この海上区間は、フェリー航路が国道に指定されている。海上区間も正式な58号線とされているのである。
これを含めると、58号線の総延長は881.9 kmとなる。この距離は日本一なのだ。

国道58号線の起点は鹿児島市内にある西郷隆盛銅像前交差点。ちなみに陸上区間はここから明治橋まで272.4 kmである。

 

那覇市の明治橋交差点は58号線の起点と思われているが、実は終点である。起点の鹿児島から850kmと表示されているが、旧道やバイパスなどの重複区間を差し引くとこの距離になる。

 

鹿児島県離島の命綱であり沖縄本島の大動脈

いってみれば、陸海ハイブリッド国道である58号線。この不思議な国道の存在意義のひとつは、離島間の生活路線であること。
フェリーは鹿児島から奄美大島、沖縄本島を結ぶ航路だが、途中徳之島、沖永良部島、与論島にも立ち寄る。この路線は各島々に暮らす人々の命綱なのだ。
さらに沿線には、奄美大島の亜熱帯の森や沖縄本島のサンゴ礁の海、独自の島文化や歴史が色濃く残る集落が点在しており、他の国道では体験できない景観と人々の暮らしが広がっている。
特に、世界自然遺産に登録された地域を通過することからも、その価値は極めて高い。
沖縄本島では、那覇市から名護市方面へ北上するにつれ、都市的風景から観光リゾート地、さらには静かな集落や海岸線へと変化していく。
その多様な表情もまた、国道58号線の魅力のひとつである。

種子島唯一の国道は58号線であり、JAXA種子島宇宙センターへのアクセスにも使われる。日本の宇宙開発を支える道といってもいい。

 

本島北部の国頭村あたりでは片側1車線。海の青と山の緑に挟まれて南北に延びる。

 

陸上区間だけなら4号線が最長国道

さて、海上区間を含まない国内最長国道は4号線である。総延長は838.6 kmだ。
このすべてを実際に陸路で走破できる。したがって4号線は日本最長の陸上国道と定義することが可能だ。
東京都中央区(日本橋)→埼玉→群馬→栃木→福島→宮城→岩手→青森県青森市というルートを取る。
首都圏および東北地方を貫通するので、東日本の人流と物流を支える日本の大動脈のひとつである。
一方で長距離ドライブの王道でもある。昔は日光街道や奥州街道などと呼ばれた道だ。
沿道には東北の大都市や歴史的スポットが集中し、温泉・グルメ・城下町など、魅力的な観光地も多い。

本島の58号線の一部は片側4車線、合計8車線がすでに供用が開始されている。写真は浦添市宮城付近。

 

4号線は楽勝だが58号線全走破は気合いが必要

前述のように国道4号線はすべて陸続きなので、多少の時間とカネがあれば、車やバイクで比較的簡単に走破できる
では58号線はどうか。これは簡単ではない。フェリーも組み合わせなくてはならないからだ。
具体的には鹿児島市内の区間700mほどを走った後フェリーに乗り、種子島に渡って島内区間を走る。
鹿児島に戻ったら今度は那覇行きのフェリーに乗って奄美大島で下船。
島内区間を走った後、もう一度那覇行きフェリーに乗り、沖縄本島の本部で降りて国頭村奥へ回る。そして西海岸を南下して那覇に至るという感じだろう。
時間とカネ、気合いも相当必要なチャレンジになりそうだが、ぜひどなたかやってみてほしいものだ。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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