「外人住宅」には日本人も住めるが家賃は高い
沖縄には外人住宅と呼ばれるタイプの家があり、賃貸に出されたり売りに出されたりしている。アメリカンスタイルをそのまま持ち込んだ家だが、妙に人気があったりする。今回は外人住宅のお話。
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本来は米軍人とその家族用の家
戦後、米軍人とその家族が住むために大量の住宅が必要になり、そのためにアメリカ風のコンセプトで造られたのが元々の外人住宅である。
1950年代から60年代にかけて大量に建築され、最盛期だった70年代には約12,000戸もあったという。今でもときどき新築物件が現れたりする。現在は沖縄県内で4~5000戸あるという。
広くて雰囲気もいいけど実は住みにくい
特徴としては、まず敷地が広いこと。100坪ぐらいの物件は普通だ。したがって、広い庭があり、星空を見ながらのバーベキューももちろん可能だ。
クルマ2台3台OKは当たり前。建物はコンクリートの平屋で、室内は3~4LDKぐらい。リビングやダイニングがやたら広かったり、バストイレが2つあったりする。
こうした広さに加えてエキゾチックな雰囲気もあって、それが人気の理由でもある。
ただし、築50~60年という古い物件も多く、建物はボロボロだったりする。
靴のまま家に入るためか、地面と床の間に空間がない。床下を空気が通らないので、湿気がこもりやすい。
薄い屋根を陽の光があぶるので夏は暑く、冬寒いのは常識だ。
築50年のボロ家の家賃が異様に高いのは思いやり予算のせい
このおんぼろ住宅、家賃は10万円から25万円ぐらいと、首をひねりたくなるくらい高い。
理由は日本政府の思いやり予算から、つまり日本国民の税金から米軍人に住宅手当として月に15~30万円程度が支給されているため。この住宅手当があるので、大家は高い家賃をふっかけるし、借りる方の米軍人もフトコロが痛まない仕組みになっているのだ。
もちろん、日本人でも借りることができるが、だからといって家賃は安くならないし、国から住宅手当も出ない。いわば、定価で借りなくてはならない。
広い庭の管理にはご注意を
本土から移住してきた知人が住んでいて、「広い敷地内にガジュマルやバナナなどの木がたくさん生えていて、緑が多く、自然環境がとてもいい。
芝生の庭では、ときどきハブがとぐろを巻いている」と、満足げに笑うが、それは笑いごとではない。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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