冠婚葬祭お金の相場について「お年玉」編
本土から沖縄に引っ越してしばらくは、金銭感覚を合わせるのに少し苦労するかもしれない。たとえば結婚式のお祝儀とか葬式のお香典などをいくら包めばいいのか、といった話だ。
正月に近くなると、ウチナーンチュでも迷ったりすることがある。お年玉だ。相場的にいくらくらいなのかを考えてみる。
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お年玉の基本は1000円
結論から先にいうと普通は1000円だ。オジィやオバァが孫にあげるならもっと多いだろうが、親戚の子などにあげる場合、お年玉は1000円が基本である。
「小学生なら1000円だろうな」とか、「年齢関係なし、一律1000円」とか、なかには「小学生1000円、中学生1100円、高校生1200円」と、100円単位で差をつけるのがいいという意見もある。
筆者の甥っ子が「弟とは金額に差をつけてほしい」というので、サイフにあった300円を追加したら、「お年玉に硬貨か」と冷たくいわれたこともある。たしかに、ちょっと細かすぎる気もしないではない。
単価は安いが群でくるので油断は禁物
とはいえ、金額が安いので助かると思ったら大まちがいである。沖縄は子どもが多いし、人と人のつながりが濃いので、あげる人数がどうしても多くなってしまう。
そのため、トータルではけっこうな出費になる。首からポシェットを下げたガキがニタニタ笑いながら群でやってくると、ふだんはかわいいと思っていても、正月ばかりはピラニアに見えてしまうのだ。
末っ子や独身者は割に合わない
また、筆者のように兄弟が多くて末っ子だったりすると、数多くの甥や姪に取られ続けて、戻りも少ないから悲惨だ。
独身者は当然ながら出すだけなのでもっとかわいそうである。自分も独身のころは、親同士で子どもにお年玉をやらない協定でも結んでくれればいいのにと思ったものである。
子どもが多いのはけっこうだが、その裏で苦労する人もいるわけだ。
ドルであげれば教育的効果もある
自分が小学生のころのお年玉は、だいたい1ドルだった。それでも今の1000円ぐらいの価値はあった。ところが現在のレートでは140円弱にしかならない。
ちょうどアメリカへ行ったときに余ったドルがあるから、原点に返って今度の正月からお年玉は1ドルにしよう。
文句いわれたら、そのうち円安で1000円くらいになると教えてあげるのだ。為替についての教育にもなる。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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