2023/02/11

【成功する沖縄移住】雇用の救世主か現代の女工哀史か「コールセンター」ってどういうの?

観光だけでなく、暮らす面から考えても多くの魅力がある沖縄だが、その基盤が仕事という人も多いだろう。
就職をどうするかという問題だが、おすすめのひとつとして「コールセンター」というのがある。わかっているようでわかっていないこの業種について、簡単に紹介してみよう。

 

東北地方のデリバリー注文を沖縄で受けたりする

コールセンターというのは、たとえばIT企業のカスタマーサポート、保険の顧客対応、通信販売の受付、外食チェーンのデリバリー受付まで、客からの電話を一手に受けるセンターのこと。

21世紀に入るくらいからだろうか、沖縄で急激に増えてきた。

東京や北海道や東北の客がハンバーグ定食やピザのデリバリーを頼むときも沖縄のセンターが対応したりするのだ。

 

企業にとっては通信費も人件費も安い

なぜ、わざわざ遠い島にセンターを置くのかというと、沖縄県が東京・大阪と沖縄間に高速通信回線を引き、タダで提供しているのがひとつ。

もうひとつは人件費の安さ。東京にセンターを置くのと通信費はほとんど変わらず、安く人が雇える。さらにオフィスの賃料も安いから、結局沖縄に置いた方が運営コストが安くなって得なのだ。

 

多大なストレスを抱えて安い賃金で働かされる

一方で、一時自分の子どもをコールセンターに勤めさせたくないという声があがった。この仕事、給料は安くてストレスがたまる。

特にクレームの電話を受けたときは悲惨だ。自分のせいではないのに、客にさんざん怒られる。時にはセクハラめいた電話もあるという。

職場によってはリーダーが監視人のように見回り、トイレに行くにも申告が必要だったりする。

キツイ仕事を人件費の安い外国に出すようなやり方に批判が集まり、女性が多い職場だけに、現代の女工哀史とまでいわれたものだ。

 

近年はだいぶ改善されているらしい

しかし、近年はコールセンターの職場環境や待遇がかなり改善されているといわれる。

もちろん会社によっても違うが、時給や月給のアップもちろん、フルタイムやパート契約など、さまざまな雇用形態を用意して、個人のライフスタイルに合わせた働き方を提供している。

また、全国展開の企業がエリア正社員制度を導入し、待遇は正社員並みなのに転勤がなく、安心して働けるようにしているところもある。

ある会社では、産前産後休暇や育児休暇などの制度を充実したおかげで産休を3回取った女性が継続的に働いていたり、現場を統括するセンター長に女性が登用されたりと、性別関係なく活躍できるようにしている。

このように、昔は娘を働かせたくない職場といわれていたコールセンターが、大変魅力的な職場に変容しつつあるのだ。

というか、そうしないと優秀な人材が集まらないのかもしれない。

客に怒鳴られたりもするが、チームプレーと考えて、まわりと助け合いながら仕事をこなしていくのがコールセンターで生きていくコツ。やはりコミュニケーション能力が大切だ。

 

ウチナーンチュ向けであることはたしか

いずれにしてもウチナーンチュは対応が温かいから、コールセンター向きだとはいわれる。

初心者が「はい、〇✕△お客さまセンターやさ」「ご注文は、わたくし具志堅がうけたまわりましたか?」「お客さまのおっしゃることはごもっともだーるばーよ」などと、ウチナー天然らしい言葉を連発し、お客さんを笑顔にしていればいいなぁ。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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