【成功する沖縄移住】ハロウィンは沖縄のお盆に近いというお話
この記事を書いているのは2024年10月31日。世間ではハロウィンで、渋谷などではお祭り騒ぎをしている。でもハロウィンというのがどんな行事なのか筆者は知らず、恥ずかしいので調べてみたら、どうも沖縄のお盆のようなものらしいと知って驚いた。
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ケルト人の祭りが発祥でキリスト教とは関係ない
ハロウィーンは、ケルト人の祭りを起源としている。
ケルト人は中央アジアを発祥とする民族で、ヨーロッパに広がり、さらに現在のイギリスやスコットランド、アイルランドなどの島々にも勢力を拡大した。
古代ケルト人は文字を持たなかったため、文学や音楽は口づてに伝えられた。
それでも豊かな文化を持っており、たとえば日本でもおなじみの曲「蛍の光」はもともとケルト音楽が起源だという。
そして、意外なことにハロウィンは本来的にキリスト教とは関係がない。
古代ケルト人の祭りであったハロウィンは、キリスト教にとっては異教徒の行事であるため、カトリック教会・プロテスタント・聖公会・ルーテル教会・正教会・東方諸教会など、ほとんどの宗派はキリスト教の祭りではないとしている。
それどころか、ほとんど無視あるいは否定している国もある。
たとえば、カトリック信者が多いイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、さらに中南米のコスタリカ、ニカラグア、ブラジル、ペルー、アルゼンチンなどの国々はハロウィンに関心を持っておらず、その存在を無視している。東欧なども同様だ。
ロシアでは教育省が「ハロウィンは子どもに害がある」として、無視どころか禁止しかねない姿勢すら見せている。
では、どんな国々でハロウィン行事が行われているかというと、もともと盛んだったアイルランド、イギリスあたり。
さらに、昔イギリスの植民地だったアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどである。
特にハロウィンを現在のスタイルにまで育てたアメリカは、もっとも盛んな国といっていいだろう。他にはドイツ、フィリピンなどでも行われている。
ハロウィーンはお盆行事
では、ハロウィンが本来どんな性格を持つかというと、ずばりお盆である。
ケルトでは11月1日が1年のはじまりの日、つまり元日とされており、したがって10月31日は大晦日となる。
この日の夜には先祖の霊が家族に会うためあの世から戻ってくるとされる。まさにお盆だ。
しかし、先祖の霊とともに悪霊もやってきて作物を荒らすなどの悪さをしたり、ひどいのになると子どもをさらっていくこともあるという。
沖縄でも、お盆に海に入ると悪霊が足を引っ張ってあの世に連れていくという話があるが、それと似たようなものだろう。
悪霊を追い払うための仮装
先祖の霊といっしょにこの世に戻ってきた悪霊は、いけないことをするので、人間も負けずに仮装し、悪霊を脅かして追い払う。
たとえば悪魔、ゾンビ、死神、おばけ、ドラキュラ、フランケンシュタイン、骸骨など恐ろしい姿になるが、それは悪霊を怖がらせるためなのだ。
近年は、悪霊を追い払うというよりも、コスプレパーティをして楽しむ若者が増えている。
必ずしも恐ろしいコスチュームではなく、カーネル・サンダースや相撲取りといったキャラクター、さらにはホットドッグや野菜など、悪霊がビビるどころか笑ってしまいそうな格好をするケースも増えている。
カブがアメリカでカボチャに変わり無宗教化
ハロウィンといえば、真っ先に頭に浮かぶのがカボチャである。くりぬいたカボチャの中に火を入れたものをジャック・オー・ランタンといい、これで悪霊を追い払うという。
もともとはカブを使っていたそうだが、ハロウィンがアメリカに伝わってからカボチャに変化した。
そして、アメリカに伝わって広がってからは、宗教的な色合いをほとんどなくした。
仮装した子どもが「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!)」といいながら家々をまわるのも、アメリカで広がった風習らしい。
宗教的な意味合いがないのであれば、さらにカブがカボチャに変化していいのなら、沖縄ではスブイをくりぬいて中に火を入れて魔除けとするのもいいかもしれない。
スブイちょうちんを持った子どもたちが「くゎーしくりらんねぇ、がんまりすんどー」とかなんとかいいながら、家々を回ったりしてもおもしろいかもしれない。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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