【成功する沖縄移住】ヤバすぎるタイワンハブにはご注意を!
もうすぐゴールデンウィーク。陽気のいい初夏は行楽には絶好の季節である。ただこの時期、特に自然とふれあう人には注意していただきたいことがある。ハブ、なかでもタイワンハブだ。
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4月はハブの活動が活発になる時期
ご承知のように、沖縄にはハブという毒蛇がいるが、実生活においてはなかなか遭遇することはない。
筆者の経験でいうと半世紀で3、4回野生のハブを見たことがある程度だ。
現在では血清も進化しているので、咬まれたとしても死ぬことはまずない。
とはいえ、年に60人くらいが咬まれ、後遺症が残る場合もあるので、気を付けるに越したことはない。
ハブは初夏のこの時期は活動が活発になるので、注意したいものだ。

このハブさんはホンハブとも呼ばれ、沖縄諸島および奄美群島に生息する固有種。ハブ酒に使われたりするので捕獲され、数が少なくなってきたため見せ物用に回らず、補うために移入されたのがタイワンハブである。
外来種のタイワンハブがヤバい
昔に比べると、ハブの被害は減り気味なのだが、それは在来種の話である。
問題は、元々沖縄にはいない外来種、タイワンハブだ。沖縄におけるタイワンハブの拡大は、生態系および人々の生活に深刻な影響を及ぼしている。
タイワンハブは、中国南部から台湾にかけて分布するクサリヘビ科の毒蛇であり、体長は約1メートル前後。
在来種のハブよりも小型で、草木に紛れやすいため発見が困難だ。毒性は在来種よりも強く、人の咬傷被害も報告されている。

沖縄県がこうしたポスター等を配布してハブへの注意を呼びかけている。危険なのは4種あり、タイワンハブが含まれる。
観光施設から逃げ出して繁殖
沖縄県でタイワンハブが初めて確認されたのは1993年。名護市の野外で発見された。
その後、恩納村、読谷村、うるま市などへ分布を拡大し、現在では本部半島周辺を中心に広範囲に定着している。
2020年には捕獲数が過去最多の3,317匹に達し、在来種のハブを上回る状況となった。
そもそも、なぜタイワンハブが沖縄に入ってきたかというと、50年くらい前、観光施設で人気を博していたハブとマングースの決闘という見せ物用に持ち込まれたといわれる。
そうした施設で飼育されていた個体が脱走あるいは捨てられたことが、定着・拡大の根本原因と考えられているのだ。
しかも、タイワンハブは繁殖力が強く、多様な環境に適応できる能力を持つ。そのため、短期間で生息域を急速に拡大している。
特に森林や農地周辺など、人間の生活圏にも進出しているのが脅威といえる。
タイワンハブは主に変温動物を捕食する傾向にあり、在来の爬虫類や両生類に被害を与えている。
また、在来のハブと競合することで、生態系のバランスを崩す恐れがある。

タイワンハブと決闘させられたマングースも生態系を破壊する外来種で、現在駆除が進められている。どっちもろくでなし扱いだが、いずれも原因を作ったのは人間である。
対策はしているものの追いつかず
沖縄県では沖縄県外来種対策行動計画に基づき、タイワンハブの防除計画を策定し、捕獲や駆除活動を進めている。
侵入防止柵の設置や、生息密度の高い地域における集中的な駆除なども行われている。
しかし、タイワンハブの生息域は依然として拡大傾向にあり、特に世界自然遺産に登録されたやんばる地域への侵入が懸念されている。
それだけならまだしも、人が咬まれて死んだりするとゆゆしき問題だ。
小型で見つけづらく、在来種より強い毒を持つタイワンハブにはぜひとも気を付けて行楽を楽しんでいただきたいものだ。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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