【成功する沖縄移住】花粉症社員を沖縄に避難させる企業が増加中！

この時期、花粉症で苦しんでいる人はいませんか？ 自慢するわけではないが沖縄に花粉症はない。そこに着目した企業が社員を沖縄に一時移住させ、業務にあたらせる事例が増えている。その界隈を解説してみよう。

スギやヒノキがないので花粉症もない

花粉症の主な原因はスギやヒノキの花粉である。しかし、以前の記事でも紹介しているが、沖縄にはこれらの木がほとんど存在しないため、花粉症に悩まされることがない。
沖縄は亜熱帯性気候であり、スギやヒノキが自然に育つ環境ではないのだ。
また戦後、建築材料にするため、日本各地でスギやヒノキの植林が進められたが、沖縄では行われず、大規模な人工林も存在しない。
原因となる木がないので、花粉症がないのはあたり前田の国際センターだ。

やんばる（沖縄本島北部）の森は、主に亜熱帯広葉樹林で構成されており、少数のリュウキュウマツは別として、スギやヒノキといった針葉樹はほとんど自生していない（©OCVB）

海に囲まれた地理的要因

また、花粉は風に乗って広がるが、沖縄は四方を海に囲まれており、本土から飛んでくることもほぼない。
さらに、沖縄特有の湿度の高さが花粉を空気中に舞い上がるのを防ぎ、花粉症が発生しにくい環境を作っている。

花粉症による経済損失

花粉症は単なるアレルギー症状にとどまらず、日本経済全体に深刻な悪影響を及ぼしている。
まず、労働生産性の低下だ。花粉症の症状である、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、頭痛、倦怠感などは集中力の低下を招く。
オフィスワーカーが花粉症の影響を受けると、作業効率が大幅に低下し、企業の業績も悪化させる。
医療費の増加も痛い。花粉症患者は毎年受診や薬などに多額の医療費を費やしている。
さらに、花粉症が慢性化すると医療機関への通院回数も増加し、社会全体の医療コストを押し上げる要因となる。
経済産業省の試算によれば、花粉症による経済損失は年間数千億円規模に達するとされている。
具体的には、労働生産性の低下による損失が約5,000億円、医療費や関連費用がさらに数千億円規模に及ぶと推定される。

スギの花から飛散するスギ花粉。当然ながら沖縄ではこんな風景は見られない。

企業が沖縄を活用するメリット

こうした花粉症の影響を避けるため、一部の企業では春先に社員を沖縄で勤務させる動きが広がっている。
これは、ワーケーション（ワーク＋バケーション）と呼ばれる新しい働き方とも関連している。
コロナ禍を経てリモートワークが一般化し、社員が特定のオフィスに出社せずに働く環境が整いつつあるのだ。
花粉症の影響を避けるため、春先に沖縄で勤務することは、企業にとって合理的な選択肢となる。
沖縄では花粉症の影響を受けずに済むため、社員は集中力を維持しやすくなる。
加えて、温暖な気候とリラックスできる環境はストレス軽減にもつながり、全体的な業務効率が向上する。
健康に配慮した働き方を提供する企業は、従業員満足度（ES: Employee Satisfaction）が向上し、優秀な人材の確保や離職率の低下につながる。
特に、花粉症に悩む社員にとって、春先に沖縄で仕事ができる環境は大きな魅力となる。企業のブランドイメージ向上にも貢献するのだ。
一方、企業が沖縄での勤務を推奨すれば、滞在費や現地での消費が増え、地域経済にも貢献する。
観光業が中心の沖縄にとって、ビジネス目的の長期滞在者が増えることは、新たな経済発展の機会となる。
花粉症患者には申し訳ないが、花粉症避難は沖縄県の経済活性化にもつながる、おいしい話なのだ。