【成功する沖縄移住】住んでから後悔しても遅い「米軍基地」の騒音
ご存じの人も多いと思うが、沖縄には米軍基地がたくさんある。なかでも空軍など、軍用航空機を運用する基地の近くでは騒音が激しい。住まいを決めて契約し、住んでみて初めてそれに気づくこともある。そうなると、じっと耐えるか、ノイローゼになるか、とっとと引っ越すかの選択しかない。そんな悲惨なことにならないよう、住まい探しの際には米軍基地の存在を頭に入れておきたい。
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米軍基地は騒音の巣窟
米軍基地は、特に本島中部では広大な土地を占拠している。基地はカネや犯罪をまきちらすが、騒音もまきちらす。
もっともひどいのは米空軍の嘉手納基地である。その南に海兵隊の普天間基地もあるが、こちらはヘリコプターやプロペラ機が多いので、やかましさは嘉手納ほどではない。
嘉手納基地はジェット機、特に戦闘機の離着陸が頻繁に行われる。音速を軽く超えるジェット戦闘機のエンジンは強力で、音もすさまじい。
戦争で使う武器なので、静粛性はあまり考慮されていないから、騒音は民間空港の比ではない。
ジェット戦闘機の離陸音で目覚めるハメに
もしこれを知らずに嘉手納基地の近くで住まいを借りたらどうなるか。朝から晩まで軍用ジェット機の爆音に悩まされる。
国のカネで、住宅に防音設備は施されているとはいえ、そんなことで解決する問題ではない。
しかも、夜中は離着陸を自粛するという話になっているようだが、実際は朝も暗いうちから離陸したりする。これには時差も関係する。
つまり、アメリカ本土に向かうとき、現地到着時間から逆算すると、離陸は夜中になるわけだ。しかたないから理解してくれ、と米軍側はいうが、ナメられているとしかいいようがない。
鳥の声ならともかく、ジェット戦闘機のエンジン音に起こされるのは、あまり気持ちのいいものではない。
嘉手納町と、離陸・進入経路に近い沖縄市や北谷町などで住まいを探すなら、この点を充分確認したい。
基地のまわりではヘリも降ってくる
2004年8月13日、午後2時15分ごろ、普天間基地に隣接する沖縄国際大学の敷地内に、米海兵隊所属のCH-53D大型輸送ヘリコプターが墜落。機体は大破炎上し乗員3人が負傷した。
ヘリは墜落時に大学の建物に接触したが、中で仕事をしていた職員をはじめ、地上にいた人にけが人はなかった。大学が夏休み中だったことも幸いした。
米軍はただちに現場を封鎖し、大学関係者はもちろん、日本の警察の立ち入りも拒否した。ただ、兵士が注文したピザの配達人だけは立ち入りが許されたという。
墜落現場は、住宅、学校、商店、病院などが密集する地域で、目の前にはバスが通行する通りもある。地域住民にけが人が出なかったとはいえ、大破したヘリの破片が飛散し、周辺の建物に被害を及ぼした。
パイロットの腕を自慢する厚かましさ
米軍関係者が「こんなところに落ちたのに、地上の人を巻きこまなかったのは奇跡である。パイロットの腕はすばらしい」という趣旨の発言をしたが、とんだおカド違いである。
確かに現場は対面通行の道路を挟んで7、8階建てのマンションが建っている。ほんの少しずれていたら、このマンションに激突してもおかしくない。
また、大学の建物への直撃もあり得ただろう。しかも尾部ローターが故障したヘリは、水平方向に回転しながら落下してきたはずだ。
そんな状況の中、建物や道路を通行中の車両への直撃を避け、大学の建物と道路の間の狭いスペースに落としたパイロットの腕とハートには脱帽である。
しかしその前に、こんな人口密集地に今でも米軍基地、しかも飛行場があること自体が間違いなのである。その軍所属の兵士であるパイロットの腕をほめたところで意味はない。
嘉手納基地や普天間基地のまわりでは、非常にまれではあるが、航空機が落ちてくる可能性があることを、いちおう知っておこう。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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