【成功する沖縄移住】ハワイまで行かなくていい「リゾ婚」が復活の兆し
3月中旬、寒さがゆるんで、春というかすでに初夏の陽気である。残波岬や知念岬公園などを徘徊していると、ウェディングドレスやタキシードを着た男女を、カメラマンが撮影している姿がよく見られるようになった。リゾートウェディングいわゆるリゾ婚である。今回はリゾ婚で一席。
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県外海外から来て挙式するリゾ婚
コロナ禍の前、沖縄で結婚式を挙げる、いわゆるリゾ婚がちょっとしたブームになっていたが、感染者の急増と反比例して急減した。
それが、感染者の減少に合わせるように復活の兆しを見せているのだ。
もちろん日本全国から、さらに中国本土や台湾、香港、韓国など、主に近隣アジア諸国からカップルや家族がやってくる。
ただし、家族や友人は来なくて、新郎新婦だけで挙式だけ、もしくは写真撮影だけ沖縄でやるケースもある。
なぜ沖縄で結婚式?
ハワイで結婚式を挙げたいけど、遠いし金がかかるし、一族郎党連れて行くのはめんどくさい、だから国内の沖縄という発想があるらしい。
もっと素直に、景色が美しいから都内のホテルよりずっといいと考える人もいるだろう。
また、普通の結婚式だと職場のしがらみとかで呼びたくない上司も呼ばなくてはならないが、遠隔地である沖縄での挙式を理由に呼ばなくて済んだりするのもメリットのひとつである。
普段は付き合いの薄い遠い親戚などを呼ばなくても、沖縄なら義理を欠くことにはならないし。
こじんまりでアットホームなのがいい
そして、列席者を親族と親しい友人など20人程度に絞って沖縄で集合し、海に面したチャペルで式を挙げ、こぢんまりと、アットホームな雰囲気で食事を楽しむ、というわけだ。
仲人とか、社長の来賓あいさつとか、部長の乾杯の音頭とか、堅苦しい儀式を抜きにして、プライベート感にひたりながら祝福されるのである。
沖縄の結婚式では、300人ぐらいの、これでもかとにぎにぎしい披露宴を開くのが一般的だが、リゾ婚はまるで逆だ。
この、ある種個人主義的な結婚式の挙げ方は、実は都会的なのかもしれない。
ウチナーンチュからすると費用は高め
費用としては、参列者20人として挙式、会食で総額150万円くらいが平均的なところ。
祝儀が1人2万円×20で40万円。100万円を超える赤字で、これに旅費やその他の雑費を加えると、やはり150万円はカップルの負担となる。
これは、ウチナーンチュからするとかなり高い。というのも、沖縄では結婚式の祝儀は1万円が相場だが、300人も集めると300万円になる。
式および披露宴を200万円くらいで済ませれば、100万円の黒字となる。悪くてもトントンだ。この感覚からすれば150万円の赤字はちょっと信じがたいのだ。
まあ、財布の中身は人それぞれなので、リゾ婚にいくらかけるかは個人の勝手であるし、沖縄で式をあげてきれいな海のそばでウェディングフォトが撮れれば、金には代えられない思い出になるというのはわかる。
他人が費用をうんぬんするのは野暮だろう。
潮の干満には注意したい
ただ、雨は別としても意外な落とし穴がある。引き潮だ。
海を見晴らすチャペルで「新郎新婦入~場~」したはいいけれど、窓の向こうではオヤジがリーフで釣り、オバァが貝採り、オジィがもずく採り、子どもが笑いながらオシッコという風景が広がって、おごそかな結婚式がぶちこわしになったりする。
もちろんそうなるとウェディングフォトにも影響が出る。
沖縄リゾ婚において海を重要なアイテムにするなら、いちおう潮の干満も確認しておきたい。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
著作の紹介
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