老人とタコの戦いを思い描きながら噛みしめる「島ダコ」
先日ダイオウイカの大物が揚がった話題を受けてイカの記事をアップしたが、イカを出した以上、タコについても触れねばなるまい。というわけで島ダコの話を。
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ウチナーンチュがもっともウチナー産にこだわるのがタコ
ウチナーンチュはタコ好きであればあるほど、島で獲れた島ダコにこだわる。
「はい、タコの刺身も食べなさい」「これ島ダコか」「違う、アフリカむん」「じゃ、いらん」となりがちだ。やっぱり輸入物とは味が違うのである。
タコ壺など使わない真剣勝負の漁
沖縄には、各地に伝説的なタコ取り名人がいる。80歳を超えるオジィもいる。ヘミングウェイがフロリダのキーウエストではなく沖縄に住んでいたら、「老人とタコ」という小説を書いたに違いない。
タコ漁といえば、タコ壺を使うのが普通である。しかし、沖縄では、あんなタコをだますようなことはしない。一対一の真剣勝負をする。
名人は海に潜り、タコのひそんでいる穴を探す。もちろん素潜りだ。見つけたら、モリでぶすりと突き刺す。相手が激しく暴れて格闘になることもある。こうなると、もう戦いだ。
タコ壺では小説のネタにならないが、名人のタコ漁なら、なるのである。
素人にも捕れるがセンスが必要かも
小さな島ダコなら潮干狩りでも捕れる。筆者も、友人に島ダコの刺身に目のない男がいるので、売りつけようと穴に潜むやつをぶすりとやったことがあるが、刺さっていたのはヒトデだった。
東シナ海に面した風光明媚な村で育った筆者だが、いまだにタコとヒトデの区別がつかない。センスがないのだろう。
ところで、島ダコにはいくつか種類があって、その中にシガヤーという小型のタコがいる。市場にはほとんど出回らないので、スーパーはもちろん鮮魚店でもほとんどお目にかかることがない。
まれに、居酒屋などで特別メニュー的に出てくることがあるので、そういうのを見つけたときには、ぜひ食べてみてほしい。
ちなみにシガヤーとは沖縄の言葉で「しがみつくもの」といった意味である。好物の貝にしがみついている様子を表現した言葉だという。
憧れの燻製をいつか味わいたい
宮古の大神島では、カーキダコというタコの燻製を作っているという。市場にはほとんど出回らないが、これがむちゃくちゃうまいらしい。
本来は漁に出られないときのための保存食で、海人のオジィが手作りしているようだ。いつか食べてみたいと憧れているのである。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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