2022/12/12

【成功する沖縄移住】ローカルなB級菓子「スッパイマン」が全国区になった意外なワケ

気ぜわしい師走の日々、ほんの少しのスキマ時間になんとなくテレビを眺めていたら、スッパイマンのCMが流れている。懐かしいというか、よくがんばって生きているなぁという思いと、あの甘酸っぱい味が追憶の彼方からよみがえってきた。
そこでスッパイマンのお話を一席。

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キムタクがハマっていた

スッパイマンとは戦隊もののヒーローではない。乾燥梅干しのお菓子である。

学問の神様・菅原道真が詠んだ和歌「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花~」ともなんの関係もない(たぶん)。

豊見城市に本社を構える上間菓子店というメーカーが製造していて、ウチナーンチュにはなじみ深いが、ローカル色が強い商品である。いや、であった。

それが、20年近く前だけれども、キムタクこと木村拓哉さんがある音楽番組で「スッパイマンにハマっている」と発言したことから、その名があっという間に全国に広がり、ブレークしたのだった。

駄菓子屋で売られるようなB級菓子だったが、キムタクのおかげで有名になった。タネがなければもっといい。

 

絶妙な甘酸っぱさが真骨頂

梅干しではあるが、お菓子なので普通はごはんといっしょに食べたりはしないし、泡盛やビールのつまみにもしない。ステビアという甘味料が使われているからだ。

そのため、ほどよい甘さとかすかな酸っぱさが絶妙で、キムタクがハマったのもうなずけるおいしさである。お子ちゃまにも喜ばれるお菓子だ。

ただし、近年はスッパイマンふりかけというバリエーションも販売されており、こちらはもちろんごはんのお供にバッチリだ。

 

実はウチナーンチュは梅干し好き

沖縄では梅がほとんど採れない。なのにスッパイマンが、なぜこれほどウチナーンチュに親しまれているのかは、昔から疑問ではあった。それが最近やっと解けてきた。

総務省の家計調査によると、2020年における那覇市の1世帯あたりの梅干し購入量は、和歌山市、札幌市、千葉市に次いで全国4位だという。ウチナーンチュはもともと梅干し大好きなのだ。

ちなみにスッパイマンの原料は主に台湾産らしい。ならば紀州産の高級梅で新型を作ったら売れるかもしれない。

 

バレンタインデーのお返しはイヤミになりかねない

とはいえ、バレンタインデーのチョコのお返しにスッパイマンをあげるオヤジもいるが、いかがなものかと思う。

ロマンのかけらもないし、相手によっては「どうせあたしは梅干しババァよ!」と傷つくかもしれない。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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きらまーみーゆしが まちげーみーらん遠くにある慶良間の島々は見えるが、自分のまつげは見えない