2022/12/13

【成功する沖縄移住】めまいを誘う甘味とジャリジャリ感にとりこ「うず巻パン」

2015年に供用が開始された伊良部大橋。宮古島から、この長大かつ絶景の橋を渡って行ける伊良部島のパン屋で、うず巻サンドという品が製造販売されているという。
類似の商品として、本島では昔からうず巻パンというものが売られており、筆者なども昔はよく食べたものだ。
そのうず巻パンとは何者か、紹介してみる。

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古くからある菓子パンの一種

うず巻パンは、鳴門の渦潮などとは関係のない、菓子パンの一種。ウチナーンチュにとっては昔からなじみ深い。

ただ、よく考えるとネーミングが非常に即物的で笑ってしまう。バタークリームを塗ったパンをぐるぐる巻いただけのシンプルな作りは、たしかにうず巻だ。

白いバタークリームはうず潮に泡立つ白波のように見えて、そこまで考えて名付けたのなら見事だが、おそらくそれはないだろう。

うず巻パンは、生まれてから少なくとも50年は経っているに違いないし、基本、モデルチェンジしていないだろう。中毒者がたくさんいて、変えられないのかも。

 

大量の砂糖がジャリジャリと入っている

問題は味であるが、その前に食感がコワい。バタークリームが歯と舌にジャリっとくる。このジャリ感の元はどうも砂糖のようだ。

舌触りで関知できるほどなので、その量たるやかなりのものだろう。したがって、甘い。うずを巻く白波は実に甘美な味だ。それはもう、軽いめまいにおそわれるほどである。

だからコーラなどの甘めの飲み物とは相性がよくない。もちろん泡盛やビールとも悪い。これに合わせられるのは、さんぴん茶ぐらいである。

 

昭和をほうふつさせる味が令和にも健在

令和に入ってだいぶ経つのに、この化石のようなパンが生き延びていることは不思議である。それは、根強いファンがいることの証明だ。

筆者が思うに、それは子どもとは限らない。中高年にもこれを好む人がいるはずだ。うず巻パンで育った人間は、あのめまいのする甘美さから逃れられないのである。

 

人によっては恋の味だったりする

うず巻パンの発祥が伊良部島なら、本場は宮古かもしれない。そういえば、筆者は昔好きだった宮古出身の女性から、お土産にもらったことがある。うず巻パンの豊かな甘さは恋の味なのだ。

ただ、将来を誓ったにもかかわらず、その恋は結局空中分解してしまったので、筆者にはほろ苦いバタークリームなのだが。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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