【成功する沖縄移住】冷たくしたら大ヒットした香りとキレの「さんぴん茶」は中毒注意
前回、サーターアンダギーについて触れたが、甘い上に唾液を吸いこみながら食道の奥に消えていくので、お口の中が乾く。このように、粉物に口内や喉の水分を奪われた状態を沖縄の言葉で「チーチーカーカー」という。これを改善するにはなにか飲めばいいのだが、最適なのがさんぴん茶である。今回はこのお茶の話を。
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要はいわゆるひとつのジャスミンティー
さんぴん茶は、いわゆるジャスミンティーのことである。
沖縄ではたくさんの種類のペットボトル入りさんぴん茶が売られるようになって、ウーロン茶のシェアを横取りしてしまった。
名前が軽薄なようだが、実は中国語のシャンピェンツァ(香片茶)から来ている。歴史と伝統ある名前なのだ。
黒糖との組み合わせで熱中症予防にも効果
沖縄では昔から、お年寄りを中心に親しまれてきた。
やかんに入ったさんぴん茶が食堂のテーブルの上にデンと置かれているのもよく見られた。
身近にあって親しまれていたといえば聞こえはいいが、ウチナーンチュの感覚としては安っぽいお茶のイメージがある。
ただし、お茶の友としてかたわらによく黒糖が置かれていた。黒糖とさんぴん茶は、実はきわめて強力な組み合わせである。
特に夏場、汗とともに水分だけでなくミネラルも体外に出て行く。その先に待つのは熱中症だ。
黒砂糖にはナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれ、失われたミネラルの補給に最適。
したがって、さんぴん茶を飲むときに黒砂糖を食べるのは、とても理にかなっているわけだ。
実体は緑茶にジャスミンの香りをつけたもの
誤解されているかもしれないが、さんぴん茶はジャスミンの葉っぱで作られているわけではない。
その本体は、れっきとした緑茶である。緑茶にジャスミン(日本語では茉莉花=まつりか)の花で香りをつけたものだ。
これは想像だが、安いお茶にジャスミンの香りをつけることでおいしく飲もうというのが、そもそもの発想だったのではないだろうか。
年寄りが好むお茶のイメージなので若者からは見下され、あまり飲まれなかったが、1993年にポッカが缶入りを発売し、冷やして飲むようになってから大ブレークした。
その爽やかさは沖縄暮らしに欠かせない
その後、大手メーカーも中小も次々と追随し、自販機にもずらっと並ぶようになり、今や沖縄暮らしにはなくてはならないものになった。
今や、500mlから2リットルまで多くのブランドが売られている。
21世紀に入るころには「さんぴん茶中毒」を自称する者も現れた。だが、点滴などしてはいけない。命に関わる。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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