2023/01/23

【成功する沖縄移住】使いようによっては料金が3分の1になるおいしい「高速道路」

この小さな島にも高速道路がある。正式名称を沖縄自動車道という。全線走っても60kmに満たない短距離だが、生活にも観光にも欠かせない道路だ。正月に実家へ行くとき久しぶりに通ったが、やはりありがたい存在である。

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45分で全線走破できるミニ高速

沖縄自動車道は、1975年に開催された海洋博覧会に合わせて、まず石川-名護市許田間が開通。12年後の1987年に那覇-石川間が開通した。

那覇IC-許田IC間は57.3km。この本線から分かれる形で那覇空港自動車道が一部開通し、現在那覇空港への直結を目指して工事が進められている。

石川IC以北はクルマが少ない沖縄自動車道。上等な農道という雰囲気だが、覆面パトカーやマングースには注意。

 

制限速度100km/hだと思っていたら捕まる

沖縄自動車道は、ちょっと不思議な道路である。そのひとつが本土の高速道路と違って、制限速度が80km/hであること。

そこを勘違いしたレンタカーの観光客が100km/hですっ飛ばし、覆面パトカーに捕まっているかわいそうな姿を見かける。

地元の人も油断して覆面にやられることがあるので、観光客は特に気をつけていただきたい。

と書いている筆者も捕まった経験がある。四半世紀くらい前の話だが、グルクン釣りに行った帰り、族っぽいブルーのソアラを抜き去ったら、それが覆面だったのだ。

「インチキではないか、法律で禁じられているオトリ捜査ではないか」と抗議したのだが、相手にもされなかった。

 

マングースの飛び出しがある

覆面以外に気をつけたいのがマングースだ。この道路で犬猫を見たことはないが、マングースが飛び出してくることがある。

リスをストレッチしたような外見の、体長60~70cmほどの細長い動物で、長いぶんタイヤで引っかけやすい。

と書いている筆者もひき殺した経験がある。かわいそうとは思ったが、100km/h近くで走りながら避けるために急ハンドルなんか切ったら、こっちの身が危ないのであえて避けなかった。

バキッ、という音が今も耳にこびりついて離れない。だがその後も、特に同乗者がいるときは、沖縄自動車道でやつらが飛び出してきても避けないことにしている。

この迷惑な動物に不慣れな観光客にも、出てきたらあわてずにひき殺せとアドバイスしたい。有害な外来生物より自分や同乗者の命の方がずっと大事だ。

 

米軍の演習場から実弾が飛んでくるという都市伝説

もうひとつ沖縄的なのは、銃弾が飛んでくるという噂だ。沿線にあるアメリカ軍の実弾演習場から高速道路に流れ弾が飛んでくるというのである。

これは米軍基地への抗議行動から出たガセで、実際に高速道路上で流れ弾にあたった例は聞いたことがない。米軍基地は危険な存在だということを象徴的に表現しているだけである。

ただし、サービスエリアで実弾が転がっているのが見つかったという話は聞いたことがあるので、まったくありえないとはいえないのだが。

 

最安で3分の1になる通行料金

一番不思議なのが通行料金だ。那覇IC-許田IC間の普通車の正規料金はもともと1550円だったのだが、2000年の沖縄サミットに合わせて、99年に引き下げられて1000円になった。約35%の大幅割引である。

沖縄の緊急経済対策の目玉として実施されたもので、全国的にも異例の出血大サービスに県民は大喜びした。

ちなみに、この割引は2002年3月までの期限付きだったが、消費増税で1040円へ値上げになったものの、2023年になっても割引が続いている。

西日本高速道路は値上げしようと必死らしいが、沖縄側の反発でその企みは実現していない。

地元新聞によると、引き下げ前は1日の利用台数が1万9000台だったのが、2007年には2万7000台と1.5倍近くに増えており、収入が増えているのに値上げとはなにごとかと、県幹部が怒っていたようだ。

もっと怒っていただきたい。実際のところ、1000円なら使うが1500円なら下道で行く、というのが県民感情なのだから。

しかもである。平日朝夕割引というのがあり、10回以上の走行で料金の50%分が還元されるのである。

通勤などでひんぱんに使えば実質半額。那覇IC-許田IC間約60kmが正規料金の約3分の1の500円ちょっとになるという大盤振る舞いだ。

さらにマイレージポイントというのがあり、通行料金10円につき1ポイントが付与される。

さらにさらに、0~4時の深夜帯に走れば約30%オフになるので、那覇IC-許田IC間が700円ちょっとになる計算だ。軽自動車なら600円である。

 

自転車が走っているのを見て驚いたことがある

以前、沖縄自動車道を走行中、なにげに外人の乗る自転車2台を追い抜いたことがある。

1kmほど行ってからハタと気づいた。チャリは高速を走ってはいけないはず。非常電話で管制室に通報してあげたが、どうやって入ったのかがわからない。

チャリにETCをつけて無人のスマートICから入ったのなら、あっぱれなやつらだとほめてあげたい。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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