2023/05/02

【成功する沖縄移住】車が不可欠でも「免許」を持っていない場合はどうする?

前回の記事で、沖縄生活では車が不可欠という話をした。もし車を持っていなければ買えばいい。だが、そもそも運転免許を持っていない場合はどうするか。移住前に免許を取っておかなくてはならないのか。そのあたりを考えてみる。

 

沖縄で免許を取るという手もある

鉄道がほとんどない沖縄では車に頼らざるを得ない。ということは免許が必需品だ。沖縄に引っ越すなら、車はともかく免許は取ってから行きたいもの。

しかし、引っ越してから沖縄で取った方がいいという発想もある。運転する土地で免許を取得する方が実際的だからだ。

前回の記事で、沖縄は交通環境が本土とは少し違うと書いた。全体的にスピードが低いのはいいが、制限速度50km/hのところを40km/hでちんたら走って交通の流れをじゃまする車はたくさんいる。

かと思えばアメリカ軍人はやたら飛ばすし、レンタカーも流れなんか無視して飛ばす。そうしたローカル事情を教習時に教えてもらえれば安全運転の役に立つ

 

教習費も多少安い

沖縄で免許を取るメリットのひとつは、教習費が安いこと。本土の教習所で免許を取る場合、規定の時間内で済んだとして、教習所への支払い総額は、ATとMTで若干違いはあるにしても、平均30万円前後だろう。これが沖縄だとAT限定で25~28万円ほどと、少し安くなる。

ちなみに自動車教習所のことを沖縄では「ジレン」という。自動車練習所の略だ。「今ジレン歩いてる」という人がいたら「この人は現在自動車教習所に通っていて免許取得の最中なんだな」と理解しよう。

教習は、特に路上に出ると東京より沖縄の方がはるかに楽。平均速度が遅くて、まわりがのんびり走っていること、自転車が少ないこと、踏切がないことなどが理由だ。

高速道路も昼間は通行量が少ないので走りやすい。戦場のような首都高と比べたら沖縄の高速は天国である。

海のそばに位置する自練もある。風景に見とれてないで運転に集中するのが基本なのだが、潮風が気持ちいいのはたしか。

 

合宿なら沖縄暮らしの事前体験もできる

もうひとつおすすめなのが合宿教習だ。沖縄でもいくつかの教習所が行っている。期間としてはATは最短で18日くらい。MTで20日程度が目安だ。

移住前に合宿で免許を取得する場合、教習の空き時間には住みたい場所の下見もできるし、不動産業者を訪れて調査したり、食事が合うかをチェックしたり、伝統工芸体験をしたりなど、リサーチや沖縄暮らしのシミュレーションまでできたりする。

このように合宿で免許を取れば、沖縄暮らしの事前体験まである程度できるという意味でおすすめなのである。

教習所を卒業したら豊見城市にある運転免許センターで学科試験を受けよう。2011年に新築移転したので、まだまだ新しい施設だ。

 

デメリットもないわけではない

ただし、沖縄で免許を取る場合、デメリットもある。東京で免許を取って沖縄を走るのは楽なのだが、沖縄で取って東京で走るのはかなりきびしい

もちろん無理ではないが、慣れるまではかなり大変な思いをするだろう。

特に首都高をスイスイ走れるようになるまでには、何度か恐怖体験もするはずだ。

 

飛び出すマングースは怖い

それと、これは免許を取ってからの注意点だが、マングースには気をつけたい。犬猫が道路に飛び出してくるのはどこでもあることだが、沖縄ではそれにマングースが加わる。

この外来生物は天敵がほとんどいないために数が増え、それに比例するように道路に飛び出してくるケースが増えるようになった印象がある。

マングースは、天然記念物に指定されているヤンバルクイナなどの希少生物を食べるので、非常に迷惑な存在になっており、現在環境省などが駆除事業を行っている。

人間に直接被害は及ぼさないのだが、運転中に飛び出してこられると、人によっては驚いてよけようとしてしまう。それで事故を起こしかねない。

筆者も高速道路を90km/hで走行中に飛び出してこられたことがあるが、急ハンドルを切ったりしたら自分や同乗者の命が危ないと思ったので、あえてよけなかった。

左後輪のあたりで「バキッ」という音がしたが、安らかに天国へ行ってくださいと、祈るしかなかった。

とくに北部地域では飛び出してくることがあるので、自分や大事な人を危険にさらさないために、こういう迷惑なヤツはよけない、ということを徹底しておきたい。

それはそれとして、教習でも、きれいな海岸線を走るのは楽しい。まるでドライブ感覚である。取得費が安いだけでなく、教習そのものも楽しいので、沖縄での免許取得を検討してみてほしい。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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