2023/05/03

【成功する沖縄移住】本土と同じ「食生活」もできるから安心して!

「移住したら沖縄料理を思いっきり食べたい!」という人もいるだろう。だが、毎食だとさすがに飽きるし、納豆だの焼き魚など、本土に住んでいたころの食事が懐かしくなるかもしれない。また、そもそも移住後も食生活は変えたくないという人もいるだろう。そうなると、本土に住んでいたころの食事が移住後もできるのかどうかは意外に重要な要素になってくる。

 

ウチナーンチュの食生活は基本日本人と同じ

沖縄の人は一日3食沖縄料理を食べ、毎日琉球音楽を聴きながら泡盛を飲んでいる、と思ったらまちがいである。

たしかにそういう人も少しはいるかもしれないが、大部分は普通の日本人と同じ食生活をしている。

朝は納豆にみそ汁、またはトーストにベーコンエッグという人も多い。朝からゴーヤーチャンプルーや沖縄そばを食べる人はあまりいない。

お昼にゴーヤーチャンプルーや沖縄そばはありだが、それよりカレーやパスタの方が多いだろう。特に若者はそうだ。

観光客が道を歩いている地元ギャルを呼び止めて「この辺でおいしい店知らない?」と聞いたら「マック」と答えたという実話もある。

夕食も琉球料理より和食や洋食の方が多い。子どもはゴーヤーよりハンバーグやトンカツやシチューの方が好きだし、ラーメンファンも増えている。

大戸屋は大繁盛だし、吉野家とすき家は相変わらず牛丼戦争を繰り広げている。

納豆もたくさんの種類が売られていて、困ることはないはず。海洋深層水配合納豆というのが沖縄らしい。

 

沖縄の日本食がうまいかどうかは別問題

つまり、沖縄では伝統の食生活と現代日本の食生活が入り混じり、アメリカの食生活がスパイスになっているという状態だ。

したがって、沖縄に移住したからといって無理して沖縄風の食生活に合わせる必要はない。家で作るごはんはもちろん、外食でも普通の日本人のスタイルを保つのはぜんぜん可能である。

ただし、とくに外食においてはうまいかどうかは別である。たとえばおいしい日本そばの店は数えるしかない。カツ丼のうまい店も少ない。カレー、トンカツ、パスタもしかりである。

つまり、今の日本人が日常的に食べているメニューについて東京と比べてみると、沖縄では少し落ちると考えておいた方がいい。本土と同じ食生活は可能だが、クオリティまで同じではないことを心得ておきたい。

 

本土と同じ食材が手に入る

沖縄のスーパーに行ってみると、基本的に本土のスーパーと変わらない品ぞろえであることわかるだろう。

それにプラスして沖縄独特の食材、たとえばゴーヤー、ナーベラー(ヘチマ)、色のハデな魚、ポーク缶などが並んでいるという状況だ。

したがって、本土で買っていた食材は沖縄でも普通に手に入ると思っていい。なんといっても、沖縄は日本なのだから。

超高級な梅干しは手に入りづらいが、普通レベルなら梅干しコーナーにいくらでも並んでいる。

 

こだわりがあるならネットでお取り寄せを

ただ、こだわりがある場合は話が別だ。代表的なのは。一般的に沖縄は米がまずいといわれる。本土でおいしい米を普通に食べていた人にとっては、沖縄で買って食べる米は味が今ひとつかもしれない。

それからみそ。これも各地方で食べていたおいしいものが沖縄で手に入るとは限らない。マルコメなど、日本中で売られている商品はもちろんあるが、地域限定とか高級品などはほとんどない。

梅干しも同様。こだわりの梅干しを食べていた人にはもの足りないだろう。

どうしても「こだわりの○○」がほしい場合は、お取り寄せするしかない。今はネットで買えるので手に入れるのはそれほど難しくないだろう。

野菜もイザとなったらネットで取り寄せるのが早い。下仁田ねぎが食べたいと思っても、沖縄のスーパーや市場で手に入ることはまずないだろう。

近所で野菜を買うならスーパーより直売所がおすすめ。値段は圧倒的に安く、しかも農家直売なので新鮮だ。JAが運営するファーマーズマーケットも数ヵ所あって使い勝手もよい。

 

魚に関しては妥協が必要かも

微妙なのがだ。沖縄の魚はあっさりしているが、脂ののりが悪い。

こってり脂ののったうまい魚が食べたいと思っても、スーパーや魚屋でそう簡単に手に入るものではない。

もちろんブリ一匹鮭一匹丸ごとをネットで取り寄せるのは可能だが、今夜食べる刺身2人分をネットで買うのは非効率的だ。おいしい魚が食べられるかどうか、かなり問題になる点だろう。

魚については妥協せざるを得ないかもしれない。

亜熱帯の海はカラフルな魚も獲れておもしろいが、脂ののりがイマイチで、味は淡泊なものが多い。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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