【成功する沖縄移住】やんばるの大都市名護で便利に暮らそ!
名護市はやんばるの中核都市で、唯一の市である。西側は東シナ海に、東側は太平洋に面する広い市域を有するが、東西の生活環境はまるで違う。そのあたりを中心に名護市の空気感を紹介してみたい。
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どう考えても東西格差が存在する
名護市は人口が64,000ほど。普通に考えれば大した数ではないかもしれないが、やんばる限定で見ると大都市である。ちなみに人口規模では沖縄県内で7番目となる。
名護市は不思議な町である。それは人口の大部分が暮らす西海岸地域と、ぶっちゃけ田舎の東海岸地域との経済的・文化的・政治的格差から来ている。
この格差の背景には歴史的経緯がある。名護市は1970年に、当時あった名護町・羽地村・久志村・屋部村・屋我地村の5町村が合併して発足したのだが、久志村だけは太平洋に面した東海岸に位置するのだ。
つまり、合併の際に久志村という田舎が加わったため、同じ市内なのに西と東で空気感がまったく違う町ができあがったのである。
その経緯もあって、60代以上のやんばる出身者はいまだに久志は名護市ではなく久志村だと思っている人も多い。
久志の人も名護市になるのはイヤだっただろうが、過疎化が進み、そのままでは村自体が消滅してしまうと危機感を抱いてやむなく合併に参加したと思われる。
西は都会で大学やビール工場まである
というわけで、名護市については東西に分けて考える必要がある。まず西側だ。
高速道路の終点を出た同市許田あたりが名護の入口といっていいだろう。
高速の出口はそのまま国道58号線と合流する。左手には美しい名護湾が広がり、少し行くと右手に全国的にも人気が高い道の駅・許田がある。
道の駅を過ぎて4~5kmほど走ると名護市中心部に至る。大型のスーパー、金融機関から、総合病院、書店、ホテル、飲食店、市場、歓楽街、電気店、パチンコ屋に自動車販売店、火葬場など、ひと通りの都市機能がそろっている。
ほかにも公立の名桜大学、オリオンビールの工場、北海道日本ハムファイターズが春季キャンプを張る野球場や動植物園など、多くの施設がある。
もちろん賃貸物件も多く、暮らすことを考えても利便性は高い。職場が那覇市内にあっても高速利用で通勤可能だ。
したがって、名護をベースにやんばるの大自然を満喫するスタイルがおすすめかもしれない。本部町の美ら海水族館まで車で30分。今帰仁や大宜味などののどかな村々にも接している。
ちなみにお笑い芸人としてブレークしたパッション屋良は名護市西海岸地域の出身である。
東は普天間基地の移設先になっている
一方の旧久志村地域は人口密度の低い地域だ。ジュゴンの住む美しい太平洋が広がるし、自然は豊かだが、暮らしの利便性に役立つ施設はほとんどない。やや唐突に沖縄高専があるくらいだ。
また、この地域には辺野古がある。いわずと知れた、普天間基地の移設先として工事が進められている場所だ。
そのせいで同じ名護市内なのに東西で妙なネジレ現象も生じている。
97年12月に、普天間基地の辺野古移設に関する住民投票「名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票」が行われた。
その結果は反対が1万6,639票、賛成が1万4,267票と反対が過半数となったが、票数は拮抗した。賛成が約46%を占めたのである。
問題は新基地による事故、犯罪、騒音などの直接被害を受ける久志地域の住民がどれだけ賛成したのかという点だ。
久志地域の人口は約4,000人だ。有権者がその8割として3200人。その全員が賛成票を投じたとしても、残り1万1,000票は他地域の人による賛成票である。
辺野古に新基地ができたとしても、西海岸地域の住人が迷惑をこうむることはほとんどない。
その関係のない人々が1万以上の賛成票を投じたのはおかしな話ではないか。基地の経済効果だけいただいて被害は久志地域に押しつけようという西海岸の住人が多かったといえる。
さらに、西海岸出身の当時の市長は、住民投票の結果を無視して新基地建設受け入れを表明し、あとは知ったことかと辞職した。
まるで意味不明かつ民主主義の否定として大騒ぎになったものである。
ちなみに政治的にはまったく関係ないが、女優の黒木メイサは辺野古の出身だ。
だが経済特区で東側には多くの企業が進出
前述のように西海岸は立派な都会なので住まいも探しやすいだろうし、買い物・飲食・レジャーから冠婚葬祭まで生活に必要なほぼすべてのインフラがそろっている。
しかし、東海岸にはそんなものはほとんどない。コンビニが点在しているくらいだ。
ただし、久志地区にはとんでもない施設がある。豊原にあるマルチメディア館およびみらい1号館~5号館だ。
名護市は国内で唯一経済金融活性化特区に指定されており、金融や情報通信関連などの企業誘致が盛んに行われている。
進出企業は法人税が40%安くなるほか、用意されたオフィスが格安で借りられたりする。
そのおいしい条件に誘われて、2024年3月時点で約50の企業が進出しており、1200人ほどが雇用されている。翌4月にはNTTドコモの子会社の進出も発表された。
つまり、こうした進出企業は、移住者の就職先として有望と考えられるのだ。人によってはそれまでのキャリアも活かせるかもしれない。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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