【成功する沖縄移住】行政が提供する転職サービスは絶対利用したい!
移住後の就職先探しの手段としてはハローワークや求人情報誌、ネットの求人サイト、人材紹介サイトなどがあげられる。これらの他に、沖縄県など、行政側が県内企業と人材のマッチングを支援するシステムがある。今回はそのうちのふたつを紹介しよう。人材チャンプルー(沖縄県プロフェッショナル人材戦略拠点)とITキャリア沖縄だ。
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人材チャンプルーとは?
人材チャンプルーは、もともと「攻めの経営をしたい」「経営基盤を強化したい」という県内企業を人材紹介会社などに取り次ぎ、プロフェッショナル人材の採用を支援するためにできた制度だ。
専門家によると、沖縄の会社は文鎮型組織が多いという。文鎮型とはフラット型ともいい、いわゆるピラミッド型とは対照的な組織形態を指す。
ごく少数の管理者たとえば社長がいて、その下の社員は全員平等のヨコ並びという構造だ。これを組織図にすると文鎮のような形になるのでこう呼ばれる。
文鎮型では早い意志決定と迅速な行動が可能になる。
変化の激しい時代には大きなメリットだが、景気がよくなって仕事量が増えたり社員数が増えてきたりすると、社長の業務量がキャパを超えたり、ひとりでは全体を見ることができなくなったりする。
そこで、社長の右腕となるプロフェッショナルが必要となる。企画、営業、総務、財務などのプロだ。
そうした人材の採用をサポートするのが人材チャンプルーである。
プロフェッショナル人材の採用に本気になった企業に対し、人材ニーズを具現化し、民間人材ビジネス事業者(職業・人材紹介事業所等)へ取り次ぐなど、人材マッチングをサポートする。
さらに採用後も経営者等に対するフォローアップを行い、プロフェッショナル人材が企業で活躍できるように支援する。
近年、沖縄の企業では、新たに採用するプロフェッショナル人材に対して社長よりも高い給料を提示する流れも見られる。
これは、社長は役職ではなく単なる業務という発想が背景にあるようで、こうした先進的な考え方をする企業が増えているのはたしかなようだ。
プロ人材の確保で沖縄経済の振興にも役立てる
人材チャンプルーはもともと情報通信産業や研究開発ベンチャーの集積、那覇空港の貨物ハブ化や第二滑走路完成を見据えた海外展開の活発化、観光産業の隆盛などにともなって、プロフェッショナル人材に対するニーズが高まっていることも背景にあって始まった。
プロ人材を確保することで沖縄企業の発展を促し、ひいては沖縄経済全体の発展にもつなげるのが目的なのである。
一方、人材側にとっては、採用意欲と発展可能性を持った企業に採用してもらうことで、幸せな移住・転職につなげられるかもしれない。
ところで人材採用や育成に携わる専門家は、人材側への注意点を指摘する。それは案件の額に左右されてはいけないということだ。
たとえば東京で億単位のプロジェクトを回していた人が沖縄の企業に転職し、千万、百万単位の案件を担当したときにモチベーションが下がることがある。
すると仕事への姿勢も劣化しかねない。経済規模でいえば東京よりはるかに小さい沖縄では、案件あたりの額が低いのは当然だが、だからといって仕事の扱い方が変わってしまってはいけない。
沖縄に来ても東京にいたときと同じ姿勢で仕事に臨むことが大切だというのである。
ITキャリア沖縄とは?
一方、ITキャリア沖縄はIT系のエンジニアやクリエイターに特化したマッチングサービスで、やはり沖縄県が行っている事業である。
県外で働いている人が沖縄のIT系企業に転職する際にサポートしてくれるものだが、求人情報の提供や、その人に合った企業の紹介などをしてくれるのはもちろん、もっとも大きな特徴は移住に関する相談にも乗ってくれることである。
本土から沖縄への転職には移住がともなうのが普通だ。転職イコール移住といってもいい。
そして移住は人生において大きな転機となる。まして気候も風土も文化も習慣も違うとなればリスクもあるし、大きな勇気と決断が必要となる。
さらに子どももいて家族一緒の移住になるケースでは保育園はどうするか、教育はどうするか、医療は大丈夫かなど、いろいろ不安もあるだろう。身軽な独身者とは違い、失敗できないというプレッシャーも大きい。
そういう場合に頼りになるのがITキャリア沖縄というわけだ。
住まいや子どもに関することなど、いろいろと相談に乗ってくれるので安心だし、プライベートな課題がクリアになれば転職も成功しやすい。
民間企業ではそこまできめの細かいサービスは難しいはずだから、行政が行うほうが適しているだろう。それにしてもかなり利用価値の高い事業といえる。
四つの柱で充実したサポートを提供
ITキャリア沖縄のサービスを整理すると四つの柱になる。
一つ目は求人情報の提供。沖縄のIT企業の最新求人情報を専用ウェブサイトで発信する。
二つ目はUIターン経験者インタビューなど、お役立ち情報の提供。UIターンしたITエンジニアの沖縄生活(働く、暮らす)について、インタビューを通して発信する。
三つ目はIT転職に特化した専門コーディネーターが転職はもちろん、移住に関するサポートまで行うというもの。
四つ目は移住・転職イベントの開催だ。これまでにもこのイベントがきっかけで転職に成功した人が多いという。
ITキャリア沖縄はIT系エンジニアの移住・転職に際しては使わない手はないというほどのサービスぶりなのである。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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