【成功する沖縄移住】ビーチからトイレまで活躍する「島サバ」で外出しよう
そろそろバレンタインデーという今日このごろ、気温が25℃くらいまで上がっている。海で泳げるほどではないが、ちょうどプロ野球のキャンプも花盛りだし、近くの球場へでも見に行ってみるか。そんなとき、そろそろ「島サバ」活躍の時期だなと思う。
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魚ではなく、はきもの
島サバとは、島で捕れる鯖(さば)の意味ではない。魚ではなく沖縄ファッションのひとつ、島ぞうりのことだ。いや、ファッションというほどでもない。きわめて実用的なアイテムである。
ビーチサンダルの原型のような薄いゴムぞうりで、ビーサンや普通のサンダルと比べてはるかに利用範囲が広く、普段ばきとして非常に機能的である。
鼻緒がついていて普通に走れるので、子ども用にもピッタリ。室内ばきやトイレ用にも最適だ。また、色違いでそろえて、シーンに合わせて使い分ける上級者もいる。
もっといえば漁業や農業、工場など、産業の現場でも使われている。簡単に水洗いできるのもありがたい。
5万足が燃えて供給危機に陥ったことも
島サバとか島ぞうりとかいうので、沖縄発祥かと思っていたら、実は神戸生まれらしい。1960年ごろから作られていたようだが、1994年ごろには沖縄への出荷は途絶えたという。
ではその後どうなったかというと、豊見城市にあった沖縄月星という会社がインドネシアで製造した島サバを輸入販売していて、沖縄県内でのシェアが7割にも達していたという。
ところが2019年8月に同社の倉庫が火事で全焼し、在庫の島サバ5万足も焼けてしまった。
それで島サバの供給に不安が生じたものの、急きょ10万足を輸入して急場をしのいだらしい。ちなみに同社が扱う島サバは「島ぞうり SKYWAY」というブランドらしい。なかなかシャレオツなネーミングである。
美しい彫りの入った品もある
近年は、彫刻を施した芸術的なタイプもある。島サバタトゥーなどと呼ばれているらしい。
ただし、手彫りなので量産できず、値段は高い。おもしろい発想だが、前述のように島サバはもともと徹底的な実用品なので、念のため。
島サバのよさは、気候に合っていること。クソ暑い夏に靴なんてはいていられないのだ。雨に濡れてもすぐに乾くし、水虫防止にもなる。ウチナーンチュにとって、はきものといえば、まず島サバなのだ。
わらじの素材がゴムに変わったと考えれば、うなずけるだろう。半そでシャツにネクタイを締め、ストローハットをかぶり、新品の島サバをはいたオジィが昔はたくさんいた。その姿は実に粋で、子ども心にちょっと憧れたものだ。
島サバ文化を途絶えさせないで
だが、愛用者は年々減っている。原因は舗装道路が増えたこと。夏の日差しにあぶられたアスファルトは熱すぎて、島サバでは歩けないのだ。
でも、この文化を途絶えさせてはいけない。国際通りの歩道にサンゴの砂を敷き、島サバ用にしたらどうか。観光客通りなので、地元民の生活には影響がないと思うが。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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