【成功する沖縄移住】琉球開びゃくの夫婦神が住み、眠る「浜比嘉島」へ行ってみて!
4月9日日曜の朝、NHKBSの「こころ旅」という番組を見ていたら、火野正平さんがうるま市の浜比嘉島に渡り、シルミチューを訪ねる様子が放映されていた。浜比嘉島は、シルミチューやアマミチューとの関連で非常に神秘的なスポットであり、ぜひ一度訪れていただきたいので、ちょっと紹介してみたい。
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海中道路の先、車で行ける島
沖縄の代表的なドライブスポットのひとつといえば海中道路。左右に海の絶景を見ながら駆け抜けると、ひときわ爽快な気分が味わえる。
本島側から乗り入れて海中道路を通過、平安座島に入ったあたりの信号を右に曲がると浜比嘉大橋がある。ここも絶景スポットとして知られている。
橋を渡り終えたところが浜比嘉島で、突き当たりを左折すると、左手の海に小さな島がある。
この島はアマンジと呼ばれ、コンクリートの道が整備されているので、歩いて数十秒で渡れる。ここにアマミチューの墓と呼ばれるお墓がある。
琉球開びゃくの神様
伝説によるとニライカナイ(神の世界)から女神のアマミチューと男神のシルミチューという、ペアの神様が降りてきた。
二神は浜比嘉島の洞窟で暮らし、子どもが生まれ、その子孫が人間として繁栄したといわれる。そのため、アマミチューとシルミチューは琉球開びゃくの神とされる。
伝承では、アマミチューとシルミチューが天から降りてきて一番初めに久高島に渡ったけれど、洞窟がなかったので津堅島に行った。
しかし津堅島には水がなかったので、洞窟と水の両方がある浜比嘉島へやってきて住むことにしたそうです。
別バージョンでは結果が変わっている。
アマミチューとシルミチューという男女の神様が琉球の国造りをした。
まず久高島に降り立ったが水がないためコマカ島に渡った。シルミチューはアマミチューをコマカ島に残し、自身は津堅島に渡った。
そこには住むための洞窟がなかったため浜比嘉島に降り立った。浜比嘉には洞窟があり、水も豊富だったため住むことにした。
シルミチューは比嘉集落でノロと一緒になり、3人の男子を授かったとされている。
住んだのは島の高台にある洞窟
アマミチューとシルミチューが住んだとされるのが、現在シルミチュー霊場と呼ばれる場所であり、火野正平さん訪れたのがここ。
霊場まで行くにはまず鳥居をくぐり、108段の階段を登るが、火野さんは体調を考慮してか、鳥居のところで引き返していた。
頂上まで行ってみると、柵のついた洞窟がある。中には鍾乳石の陰石(女性を象徴する石)があり、これが霊石として崇拝されているのだ。
女性が参拝したら子どもを授かったという評判が広がり、県内外から子宝を望む参拝客が訪れている。
また、毎年旧正月に行われる年頭拝みには比嘉のノロを中心に地元の人々が浜から小石を1個拾ってきて、洞窟内に安置された壺に入れて無病息災や子孫繁栄を祈願する。
沖縄で一番古いお墓とされる
アマミチューとシルミチューは浜比嘉島の沖にある久場島で亡くなり、アマンジに骨を移して祀るようになったといわれている。
二神が葬られているのがここであり、沖縄でもっとも古い墓とされる。島の岩陰を利用して作られている。
ここでは毎年旧正月の年頭拝みなどで豊穣と無病息災、子孫繁栄を祈願する。また、長旅で島から出る時や外国へ移民する時にも拝んだという。
お墓の正面の波打ち際には、大きなきのこ岩がある。ノッチと呼ばれるタイプの奇岩で、何千年、何万年という長い年月、波によって下の方が侵食されたもの。
お墓から、きのこ岩と浜比嘉大橋がきれいに見晴らせるので、その風景もかなり楽しめるだろう。
パワースポットとしても人気が出ている
アマミチューの墓は、前述のように墓所というよりも拝所(うがんじゅ)としてあがめられているが、さらに、現代風にいえばパワースポットとしても注目されている。
シルミチュー霊場もそうだが、いってみれば浜比嘉は島全体がパワースポットといえる。
1997年に浜比嘉大橋の供用が開始されたが、それ以前は離島だったわけで、それもあって、現在も島は神秘的な空気をたたえている。
浜および比嘉のふたつの集落で成っているが、いずれにも御嶽(うたき)や拝所が多くあり、元気や癒しを求める人が多く訪れる。
怖そうだけど実は縁起のいいスポット
半離島でもあり、素朴で景色もいい。だが、シルミチュー霊場やアマミチューの墓は、正直ちょっと怖そうな雰囲気が漂っている。
いつ行ってもほとんど人気(ひとけ)がないし、女性ひとりでは近寄りがたいかもしれない。
でも、男女が力を合わせて子どもを作ったり、琉球の基礎を作り上げたりしたのだから、実は縁起のいい穴場スポットである。
火野正平さんは、かつて女性と手を組むだけで妊娠させてしまうと公言していたので、その意味でも妊活に効果がありそう。
その他婚活、新婚旅行、あるいは終活でもぜひ訪れてほしいものだ。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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