【成功する沖縄移住】安くて臭くてマズい泡盛を復活させた驚異の「グリーンボトル」
泡盛といえば沖縄伝統のお酒。家飲みでも居酒屋でもスナックでもクラブでも定番中の定番である。みんなに親しまれる泡盛だが、不遇な時代もあった。だが1970年代に緑色のオシャレなビンが登場してから地位が一転する。今回はその顛末を。
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戦後の酒の主役はウイスキーだった
今は老若男女問わずに親しまれている泡盛だが、45年ほど前までは、オヤジ臭くて、まずくて安っぽい酒と、特に女性や若者からさげすまれていた。
戦後、アメリカに統治されていた関係で高級なウイスキーやブランデーが安く入ってきたため、そちらを好む人が多かったのである。
バーやスナックでキープするのはウイスキーであり、中学生ですら宴会では父親の酒棚からくすねてきたジョニ黒を飲んでいた。
グリーンボトル登場で泡盛が奇跡のカムバック
ところが1978年に久米仙酒造がグリーンボトルを発売したことで、状況は一変した。
それまで泡盛といえば丸い三合ビンや一升ビンが主流だったのだが、グリーンボトルは四角くてコンパクトな4合(720ml)入りである。
もちろん透明ではなく、オシャレな緑色だ。これが女性や若者に大ウケした。
折からの居酒屋ブームもあって、持ちやすくて置きやすい手頃なサイズのビンは夜の世界から大歓迎された。
こうして泡盛は奇跡の復活を遂げる。
加えて、メーカーが女性や若者向けにマイルドで飲みやすい泡盛を売り出すようになり、居酒屋のみならず、バーや高級クラブでも泡盛がウイスキーを追い出してキープボトル主席の地位を手にすることになった。
![](https://xn--pqqq72e6fjb2d.com/ad-yoshida/wp-content/uploads/2023/03/泡盛-225x300.jpg)
久米仙酒造のグリーンボトルは、ジョニ黒やナポレオンや月桂冠を島から追い出した。琉球民族の誇りでもある。
入れ物を変えただけなのに・・・
実際のところ、久米仙酒造は容器を変えただけなのに、臭くてまずいといわれた泡盛が爆発的に売れ出した。
これは戦後沖縄七不思議のひとつといっても過言ではないだろう。スーパーなら700円で売っている4合ビンが松山の高級クラブで2万円に化けるのは、七不思議の筆頭としか思えない。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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