【成功する沖縄移住】沖縄病の末期患者におすすめしたい最後の晩餐「豆腐よう」
コロナ禍の影響でなかなか飲みにも行けなかったが、2023年2月に入ると、感染者数もやや落ち着いてきたようだ。それならばということで、ひさしぶりに居酒屋に行ってみようと思う。目当てのひとつは豆腐ようである。どんな食べ物か、ご存じだろうか。
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簡単にいえば島豆腐の漬け物
豆腐ようは、島豆腐を米麹、紅麹、泡盛、塩とともに3ヶ月以上漬けこんだ、沖縄の珍味である。
中国から伝えられたものとされ、昔は王侯貴族しか口にできない高級料理だった。
一口でパクリはダメ
居酒屋などで豆腐ようを注文すると、2cm角ぐらいのサイコロ状のかたまりが1個か2個、赤くてドロドロの液体にまみれて出てくる。
このかたまりをパクッと口に放りこんだりしたら、以後、店への出入りを禁じられるだろう。
つまようじなどで少しずつこすり取って味わうのが琉球王国時代からのエチケットなのだ。
それでも、初心者にはやや不気味な食い物に見えるだろうし、初めて口に入れる際には、それなりの勇気が必要である。
味はチーズの奈良漬け
エイヤッと口に入れたときには、チーズの奈良漬け、といった第一印象を受けるだろう。
熟成の進んだ豆腐は、ウニのように滑らかで口溶けのよい逸品に変わっている。
ただし、本来が高貴な食べ物だけに万人受けはしない。だれが食べてもすぐおいしいわけではないのだ。
心から味わうには、肉体と精神を豆腐よう仕様にする必要がある。ゴーヤー、ヤギ、ウミヘビ、イルカなど、クセの強い沖縄食材を制覇し、泡盛を飲み過ぎてアル中寸前まで行っていなくてはならない。
そして豆腐よう中毒のレベルに達すると、おにぎりの具にしたり、パンに塗ったり、パスタにからめたり、みそ汁にぶちこんだりする。
ここまで来れば沖縄病も末期。島の土になることを考えた方がよい。最終的には、死ぬ前に一番食べたい食べ物、となるかもしれないし。
小林製薬問題との関連
豆腐ようの紅色は材料の紅麹によるものだが、紅麹といえば2024年に入ってから大問題になった小林製薬のサプリを思い浮かべる人もいるだろう。
紅麹自体は昔からいろいろな食品に使われていて、その安全性はとっくに証明済みだ。だが小林製薬製の紅麹で作られている豆腐ようはないのかが問題になった。
それがあった。浦添市の海洋食品の商品である。同社では該当商品の自主回収に踏み切ったが、その後健康被害の原因となったサプリとは別の原料を使っており、健康への影響はないとして、回収を取りやめている。
ただ、小林製薬製の原料を使っていなかったとしても、いわゆる風評被害が懸念される。まるで濡れ衣だ。
小林製薬問題の全容が一刻も早く解明され、豆腐ようが安心・安全な食べ物であることが、疑いの余地なく証明されてほしいものである。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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