【成功する沖縄移住】かまぼこやゴーヤーまで入れないでよ「カレーライス」
2月の沖縄はビミョーに寒い。寒いのなら、もっとドカーンと、雪が降るくらいまで気温が下がってほしいのだが、そうはいかずに中途半端なのがイヤだ。鍋物や汁物を食べて乗りきればいいのだが、それも飽きた。そんなとき筆者がオススメするのがカレーライスである。しかも黄色いのがいい。
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寒い時にこそ食べたい熱々カレー
カレーライスといえば、夏の暑いときにヒーヒー汗かきながら辛口系を食べるイメージもある。CMの影響だろうか。
しかし、筆者としては、沖縄の中途半端に寒いときにあまり辛くない熱々カレーを頬ばって温まるのがいいと思う。
カレーライスには大別して2種類ある
沖縄におけるカレーライスは、大きく2種類に分けられると思う。ジャパンモダンとウチナーオリジナルである(いずれも筆者の勝手な命名)。
ジャパンモダンとは今の日本で一般的なタイプで、これは沖縄でも普通に食べられる。
ウチナーオリジナルは、カツオダシを使った和風カレーに沖縄独自のアレンジを加えたタイプで、他の地域ではあまり見かけない食い物。インド人が驚嘆するのはまちがいない。
ウチナーオリジナルはオバァの発想か
ダシを使う以外のウチナーオリジナルの特徴は、もちろん作り手によって違いはあるが、豚の三枚肉、スパムなどのポークランチョンミート、かまぼこ、ゴーヤー、葉もの野菜などを入れる点だ。
おそらくウチナーオリジナルカレーを発明したのはオバァだろう。栄養になると思えばなんでもぶちこむという、戦前、戦中、戦後の命がけの時代を生き抜いてきた苦労人ならではの発想だ。
なぜ黄色いのかは不明だがうまいのは確か
それと、オバァカレーはやたら黄色いのが特徴である。なにを入れたらあんなまっ黄っ黄になるのかわからない。オジィの黄疸のような色なのである。
色も中身も得体の知れないカレーだが、味はすばらしい。三枚肉やかまぼこや野菜のダシがちゃんと出て、カツオダシと混じり合い、深いコクと豊かな味わいをかもし出す。ハマると病みつきになる。
チェーン店にもレトルトにもない黄疸カレー
しかし、沖縄にも大手カレー屋チェーンが進出しているのに、なぜウチナーオリジナルを商品化しないのかが実に不思議だ。
もちろん、レトルトでも見かけない。
「ウチナーオバァの手作り風黄疸カレー」などと命名して出せば、きっと売れると思うのだが。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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