2024/07/05

【成功する沖縄移住】夏はやはりオリオンビール、でもこの距離感はなに?

2024年の沖縄地方は6月20日に梅雨が明け、それ以降は最高気温33~34℃というハンパない暑さが続いている。こんな時は、やはりオリオンビールで暑気払いするのが良さそうだ。普段ビールをあまり飲まない筆者も、この季節にはオリオンがうまいと思う。

 

オリオンは沖縄の地ビールではないよ

オリオンビールは沖縄の地ビールと思っている人がいるかもしれないが実はちょっと違う。国内5位のシェアを持つ立派な日本のビールメーカーである。シェアといっても1%に届くか届かないかであるが。
それでも沖縄の代表的な味のひとつであり、県民ビールともいわれる。地元産なので他のメーカーに比べると値段も安い。
オリオンビールといえば、一般にオリオンドラフトを指す。アメリカ風の軽快な飲み口に独特の風味が特徴だ。ほかに発泡酒などのラインナップもある。

オリオンといえばやはりドラフト(左)。2024年2月にリニューアルされたばかりで、伊江島産大麦ややんばるの水を使用し、よりクリアで飲みやすい味に仕上げている。右のTHE PREMIUMは、新開発のオリジナル酵母を使い、コク深い味わいを特徴とする。

 

アサヒビールとは提携関係にある

本土ではあまり知られていないが、オリオンの工場でアサヒのスーパードライを作っている。
これは両社の提携によるもので、アサヒがオリオンに資本参加して株主となり、オリオンドラフトを全国で販売し、オリオンは沖縄県内向けのスーパードライを生産販売しているのである。
2002年にこの業務提携が発表されたとき、沖縄県民は「大手にのみこまれてオリオンビールの名が消えるのではないか」と心配したのだが、今のところそういうことにはなっていない。
ただ、飲食店向けビールの県内シェアでは、キリンがオリオンを抜いたとか抜かないとかいう話もあって、県民ビールもうかうかしてはいられない。

名護市にあるオリオンハッピーパークでは工場見学が楽しめる。終わったらできたてのビールを試飲することもできるのでとてもおすすめだ(©OCVB)

 

ファンドが売り飛ばすかもしれない

2019年には野村證券などを傘下に持つ野村ホールディングス(株)およびアメリカの投資ファンドであるカーライル・グループが、共同でオリオンビールを買収した。
これにより、少なくとも資本の面では、オリオンビールはウチナーンチュのものではなくなった
また、投資ファンドが関わっている以上、いずれはまた売却されるはずである。県民ビールが将来的にどうなっていくのか、かなり心配ではある。

最近はスーパーでもあまり見かけなくなった気がするオリオンのビンビール。ラベルも旧タイプでウチナーンチュには懐かしい。

 

BEGINの歌が聞かれないのが気がかり

三ツ星かざして高々と
ビールに託したウチナーの
夢と飲むから美味しいさ
オジー自慢のオリオンビール
オジー自慢のオリオンビール

2002年、オリオンビールのCMソングとしてBEGINが歌って大ヒットした「オジー自慢のオリオンビール」の歌詞である。
あれから20年以上経つので仕方ないかもしれないが、最近はこの曲をあまり聞かないように思う。
あくまで筆者の主観であるが、ウチナーンチュとオリオンビールの間に微妙な距離ができているような気もする。
この沖縄の宝が中国企業などに買収されたら、ウチナーンチュが黙っているわけがない。沖縄は、日本から独立してしまうかもしれない。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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