地球を10周もした車を売る根性と買う事情「ガス車」
最近は少なくなったが、昔の沖縄ではLPガスで走るクルマを愛用する人が多かった。タクシーやハイヤー、教習所などで使われていた車が中古車として売られ、それを自家用車として使うのである。
メリットはもちろん燃料代が安いこと。ただ、その意味ではハイブリッドや電気自動車が増えてきており、それと反比例するようにガス車が少なくなってきた印象だ。今回は懐かしのガス車について。
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30万、40万走っていても見かけはきれい
「あい、亀次郎、クルマ替えたの? クラウンねぇ、へえ、上等だねぇ」
「あっしゃおばぁ、安かったよ、30万だったのに」
「なんでこのクラウンが30万で買えるわけ、事故車か?」
「ちがうさ~、ガス車よ」
「タクシー上がりねぇ?」
「そーそー、3万キロしか走ってないのに30万は安いと思ってよ、買ってからよく見たら30万キロだったさ~、わっはっは」
「フラーか!」
というわけで、昔のガス車はクラウンやセドリックなどの高級車が多く、年式も比較的新しめなのに安く買えるのがメリットだった。
見栄っぱりが乗るには最適だ。後ろに回って排気ガスの臭いをかがない限り、タクシー上がりだとはわからなかったのである。
見かけはきれいでも中身はボロい
だが、ガソリン車に比べてエンジンのパワーがないのと、上の会話のように走行距離の多さがデメリットである。見かけは新しい高級車だが、使い倒されて、中身は寿命が尽きかけているクルマもなくはない。
それと、走行距離が少ないと思って買ったら、実はメーターが3周していた、という話も昔は耳にした。あとは、ガススタンドが少ないこともネックである。
プリウスのガス車なんてあるわけがない
「ねぇ、この新型プリウス、安くない?」「たしかに安いね、ガス車だはずよ」「はい?」「だからタクシー上がりのガス車だから安いわけさ~」「ふ~ん、なるほど、あんた1回病院連れてってあげようね」
このような会話を昔、耳にしたことがある。仮にタクシー上がりだったとしても、ハイブリッドのプリウスがガス車だったりするわけがない。だから正気を疑われたのである。
実はあった!
ところが近年、LPガスで走るプリウスタクシーを目にするようになった。
厳密にはガソリンとLPガスの両方を積んで、発電しながら走るらしい。ハイブリッドを超えてトリプルハイブリッドである。
これで航続距離は2000kmになるモデルもあるという。ガソリン車の標準的な航続距離は500km程度だから驚きだ。
車の進歩もすごいものである。そのうちアンモニアやミドリムシで走るタクシーも出てくるに違いない。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
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