【成功する沖縄移住】あえて!足としての「二輪」を考える
以前の記事で、沖縄暮らしには車が不可欠であるという話をした。モノレール以外鉄道がないことやバスの使いづらさ、夏の直射日光などを考えると、移動手段はやはりマイカーがベストというわけだ。だが、なかにはさまざまな理由で自転車やバイクで動きたいという人もいるだろう。そこで、あえてではあるが、二輪車を足=移動手段にすることはできるかどうか、考えてみたい。
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自転車ユーザーは極めて少ない
沖縄に越してきたナイチャーが驚くことのひとつに自転車の少なさがある。
理由は、夏場の直射日光が強烈で、下手にチャリをこいでいたら熱中症で倒れかねないことや、意外に坂道が多いこともある。
本土では駅との往復にチャリを活用する人が多いが、鉄道がない沖縄では、そんな使い方もあり得ない。
さらに、買い物にチャリを使うこともほとんどないから、前と後ろに子供を積んでペダルをこぐ主婦、なんてのもほぼ存在しない。コンビニ行くのも車なのだ。
そうした環境なので、自転車の主なユーザーは中学生である。なぜかというと免許取得年齢に満たないからである。したがって自転車は免許を持たない人の足と考えるのが現実的だろう。
または免許を取るまでの一時的な足として、夏場を避けて乗るものといった位置づけで考えた方がよさそうだ。あるいは那覇市内限定で動くなら使えるだろう。
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実は毎年11月に「ツール・ド・オキナワ」という自転車レースが行われる。自転車に乗らない沖縄でこうした世界的なレースが行われるのは不思議ではある(©OCVB)
バイクは車の補助役
バイクも昼間はそれほど走っていない。自転車同様夏は死ぬほど暑いし、ときどき猛烈なスコールに襲われてずぶ濡れになったりもする。一方で冬は意外に寒い。
ただ、バイクで通勤通学する人はたくさんいるので、朝や夕方はよく見かける。渋滞を考えるとバイクの方が全然早いし、コストも安いからだ。
そこでウチナーンチュは車とバイクをうまく使い分けている。両方持っていて目的やシーンや気分に合わせて、その都度チョイスするのだ。
通勤はバイク、休日のお出かけや雨の日など、必要に応じて車を使うパターンが一般的。結局これが一番効率いいのかもしれない。やはりバイクだけではなかなか大変なのである。
したがって、バイクはあくまでも車の補助的役割と考えていた方がいいだろう。
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沖縄の交通渋滞は全国的にも悪名が高い。そんななかを遅れずに出勤するためにバイクがとても有用であることは確かだ。
スコールと滑りやすい路面に注意
バイクに乗るときの留意点は、まず突然のスコールに備えておくこと。出勤時に降られてずぶ濡れになったら会社に行けないかもしれないので、雨合羽は常備しておきたい。
それと道路が滑りやすいこと。沖縄の道路はアスファルトにサンゴ石灰岩を混ぜて舗装しているが、このサンゴ石灰岩が水に濡れると滑りやすくなるらしい。
材料を本土から持ってくればいいのだが、コストがかかるので、近場で採れたものを使うのだという。ナイチャーのバイク乗りが、沖縄では怖くて乗れないと、困った顔でいうのをよく聞く。
それでも天気がいい日に海岸線をバイクで走るのは爽快だ。ハーレー・ダビッドソンで気持ちよさそうに走るアメリカ人もよく見かける。
ただ、コーナーを攻めるのはいいが、オーバースピードで曲がりきれずに転倒し、そのまま神の元へ行ってしまう人が後を絶たない。
こうしたバイク事故は、特にやんばるの山道で多く見られる。交通量が少ないので、単独で走っていてこけた場合、発見が遅れるし、救急車が来るのに1時間以上かかることも普通だ。こうなると助かる命も助からない。
もちろん外人に限らず日本人も事故る。本土に比べると沖縄は路面も気候もマナーも違うので、バイクに乗るなら慎重にも慎重を期してほしい。
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潮風を感じながらバイクで走るのは爽快だが、路面状況を把握しておかないと、命の危険さえある。
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吉田 直人 よしだ なおひと
沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。
著作の紹介
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