2023/04/25

【成功する沖縄移住】どこに住むかを考える② ディープな沖縄を味わいたいなら「中北部」

移住後どこに住むかは、沖縄暮らしを満喫するためのキモ中のキモである。もちろん当事者の希望やライフスタイルに合わせて選べばいいわけだが、失敗を避けるために移住前にある程度あたりをつけておこう。そのためのガイドをシリーズでお伝えする。

 

ウチナーンチュの感覚で中部とは沖縄市と周辺のこと

那覇市やその近郊では本土の都会と大して変わらない、もっと違う雰囲気のところに住んでみたいという方には、まず中部をおすすめする。

行政上の中部は浦添市、宜野湾市、沖縄市、北谷町、西原町、中城村、北中城村、うるま市、嘉手納町、読谷村の10市町村をいう。

ただ、ウチナーンチュの感覚でいうと、浦添や宜野湾は那覇のベッドタウンで、西原は中部というより南部に近く、読谷は北部に近く、結論として中部といえば沖縄市とその周辺のことである。

英語の看板があふれるゲート通りは沖縄市のメインストリートといえる。週末の夜ともなればアメリカ人が数多く闊歩する。

 

中部は外国人が多い

このあたりで特徴的なのは外国人、とくにアメリカ人が多いことである。理由は簡単で、米軍基地があるからだ。

外国人が多いために、国際的な雰囲気がある。街ではさまざまな人種の人たちが闊歩し、商店は英語の看板を掲げ、道をYナンバーの車が駆け抜ける。

沖縄市の南東側に隣接する北谷町も外国人が多いが、若者も多く集まる街だ。

以前はこの町の広大な土地が米軍基地として使われていたが、それが返還された跡地に新しい街ができた。

美浜と呼ばれる地区で、大きなショッピングセンターをはじめ、シネマコンプレックス、リゾートホテル、運動公園、おしゃれな飲食店、ファッションの専門店などが建って、にぎやかな一帯となっている。

前述のように若者も多く集まることから、音楽やファッションなど、若者文化の発信拠点ともなっている。もちろん買い物や飲食にも便利で、那覇あたりからわざわざやってくる人も多い。

「外人と若い連中がいっぱいでうるさい」と眉をひそめる地元民もいるが、そこに目をつぶることさえできれば、利便性のいい町である。

海のそばにはきれいなビーチが広がるし、ダイビングスポットもある。

北谷町には白砂輝くビーチもある。外国人も多く利用するため、カリフォルニアの海辺のような風情だ。リゾートの雰囲気もいっぱいで夕日の美しさも感動的。

 

北部にこそ沖縄の魅力があったりする

このところ北部にも多くの人が移住してきており、石を投げれば移住者にあたるのではないかと思うくらいである。それほど移住先として人気が高まっているようだ。

行政上、北部として扱われるのは離島を除くと恩納村、金武町、宜野座村、名護市、本部町、今帰仁村、大宜味村、東村、国頭村である。

北部の特徴は自然環境が豊かなこと。ありていにいえば田舎である。ただ、その分人情も残っている。

 

名護市は北部の中核都市で利便性は高い

名護市はこの地域の中核都市という位置づけだが、街らしいのは西海岸に面した一部だけで、それ以外、とくに東側は原生林の山がほとんどを占めている。

この地域で生活の利便性を求めるなら名護の市街地だが、多少不便でも美しい自然に囲まれて暮らしたいという人にはそれ以外の地域がおすすめだ。

名護市は北部の中核都市で人口は6万人ほど。東シナ海に面して市街地が広がっている。

 

北部も名護市の西側、北側、南側で環境がかなり変わる

名護市の西側に隣接する本部町今帰仁村は、名護まで車で30分圏内なので、そのあたりに住んで、仕事やショッピングは名護、というスタイルも十分あり得る。

今帰仁村は東シナ海に面した農村で、沖合には古字利島が浮かぶ。古宇利大橋などの景勝地もある。

 

徹底的に自然環境を優先するなら、名護市の北側に位置する大宜味村国頭村東村だろう。この3村はやんばる3村とも呼ばれ、やんばる国立公園の区域内にある。

天然記念物をはじめとする貴重な動植物の宝庫で、そっち系が好きな人にはたまらないはずだ。

いわゆるやんばる3村といわれる地域は、わずかな住宅地以外ほとんど手つかずの原生林が広がる。ジャングルと形容してもいい。

 

名護市の南側には恩納、宜野座、金武の3町村が位置する。

恩納村はリゾート地としても有名で、大規模なリゾートホテルも建ち並んでおり、観光客も多い。

しかし、意外に大型スーパーや大きな病院などがなく、地元民向けの娯楽施設も乏しい。きれいな海には不自由しないのがいい点なのだが。

恩納村の東には宜野座村金武町が隣接するが、隣のわりに雰囲気はガラッと変わる。まずリゾートではない。そして、とくに金武町は米軍基地がある関係でアメリカ人が多く、独特な雰囲気がある。

緑と水に恵まれた宜野座村。人の手で作られたダムでさえ美しく、訪れる人を癒してくれる。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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