2024/04/18

【成功する沖縄移住】やんばる恩納村で楽しく暮らそ!

移住先としてのやんばるを考えるシリーズ。今回は恩納村を取り上げる。やんばるのゲートウェイであり、沖縄随一のリゾート地が持つ暮らしのポテンシャルはどうなのだろうか。検証してみよう。

 

那覇までは通勤圏内だが在宅勤務が理想

恩納村といえば、女優の田中律子さんが移住し、暮らしを楽しんでいることでもよく知られている。それに触発されてこの地への移住を目指す人もいるのではないだろうか。
恩納村は沖縄リゾートの中心地で、東シナ海に面した美しい村である。
南北に細長いのでいちがいにいうことはできないが、中心部からの場合、那覇までの所要時間は高速を使って40分ほど、一般道でも1時間ほどだ。
したがって那覇で仕事をするなら通勤圏内に入る。ただし、朝の渋滞はハンパではない。なので、仕事が在宅勤務なら適地かもしれない。
極論すれば会社は東京で通勤は飛行機で月一回、ふだんは恩納村の自宅でリモートワーク、というのが理想的ではある。

恩納村にある沖縄随一の景勝地、万座毛。まわりの海はダイビングスポットでもあって、澄んだ水の中を色とりどりの魚が群舞している。

 

海にマリンレジャーに夕日は最高

恩納村の魅力はなんといっても海である。物件が見つかれば東シナ海まで徒歩数十秒なんてロケーションに住むことも可能だ。
したがって、遊ぶとしたら、やはりマリンレジャーが中心になる。ビーチの数は地元民も正確には知らないほど多く、有名なダイビングスポットもある。
それにシーカヤック、クルージング、釣りなどなど、リゾートだけに遊びのメニューは豊富にある。
田中律子さんもSUPやサーフィン、ダイビングなどのマリンレジャーを日常的に楽しんでいるという。
ただ、リゾートだからこそ、なにもしないでボーっとしているとか、日がな一日ビーチに寝ころんで海を見ながら読書にふける、といった過ごし方がぜいたくなのかもしれない。
それと村内にある有名な観光地の万座毛から見る夕日は感動的だ。夕方だけでなく、昼間も断崖絶壁から見晴らす海が絶景である。
ただ、飛び込み自殺も時々あるほか、酔っぱらった観光客が足を踏みはずして転落死する事故もけっこうある。

恩納の東シナ海沿岸から見るサンセットは美しすぎるほど。この後頭上に広がる星空もすばらしくきれいだ。

 

「村」に利便性を求めるのはないものねだり

とにかく恩納村はいいところではあるが、変ないい方をすればカメレオンみたいな村でもある。というのも、見方によって姿が変わるからだ。
まず、リゾート地として見ると、それは最高だ。しゃれたリゾートホテルが立ち並び、前述のように美しい海に豊富なアクティビティがそろっている。
さらに飲食店や土産物屋などの観光客向けの商業施設はたくさんある。
ただし、いうまでもなく、地元民がリゾートホテルに泊まったり、バカ高い飲食店で食事したり、土産物を買い漁ったりするわけがない。
だから、リゾートであることは、地元民にとっては何の関係もないのだ(税収が増えることで間接的なメリットはあるかもしれないが)。
そのため、暮らしの視点からするとかなり物足りない。あるのは食堂とコンビニ、銀行が1軒と郵便局くらいだ。
なんといっても「村」であることを忘れないようにしたい。利便性を求めるのはかわいそうである。
ちなみにマクドも吉野家もない。考えてみればリゾート地に来た観光客がこうしたファストフード店にはあまり行かないだろう。
さらに恩納村には大型スーパーもないしパチンコ屋もない。こうした施設は山を越えた隣のうるま市石川まで行く必要がある。
したがって、車は必需品だ。それは仕方ないにしても、海が近くて潮風がまともに吹きつけるので、車が錆びやすいという問題はある。

恩納村はリゾートホテルが林立している。もちろん地元住民より観光客の姿がはるかに多いが、彼らを相手に商売するという手もなくはない。

 

まずはお試しのロングステイをしてみてはいかが

そう考えると、恩納村は快適に暮らすというより、美しい風景とリゾート気分を満喫できる地域と考えた方がいい。
田中律子さんだって東京との二拠点生活のようだし、利便性とリゾートというおいしいところだけをうまく手に入れていると、筆者などは思うのである。
したがって、ある意味恩納村は中途半端な地域ともいえる。便利さを求めるならもっと都市部がいいし、手つかずの自然に囲まれたいならもっと北へ行くべきだろう。
そこで、もし真剣に恩納村への移住を考えるなら、まずはロングステイをおすすめする。
季節としては夏が最高。冬はあまりおすすめできない。北西よりの季節風が海からまともに吹いて来て、けっこう寒いし、海自体も荒れて、あまりキレイではないので魅力は半減するだろう。
カゼを引きかねないので冬のマリンレジャーも控えた方が無難だ。
ただ、だからこそ季節ごとの良さやマイナス面を実体験するためにも、試しに1年住んでみてほしいのである。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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