2024/01/24

【成功する沖縄移住】ピンクも派手派手しい南国桜を愛で尽くそう!

1月も下旬に入り、本島北部から桜開花の便りが届いている。この時期、ウチナーンチュは花見のため、やんばるへ民族大移動を決行する。移住者もその波に乗って南国桜鑑賞としゃれ込もう。

品種は真っピンクのヒカンザクラ

日本人にとって桜といえば、普通はソメイヨシノだろう。靖国神社でも新宿御苑でも咲くのはこの品種である。
だが、沖縄の桜はソメイヨシノではなく、ヒカンザクラ(緋寒桜)と呼ばれる品種だ。
ちなみにこの桜、まるで別品種のヒガンザクラ(彼岸桜)との混同を避けるため、カンヒザクラ(寒緋桜)と称されることもあるが、ヒカンもカンヒもいっしょである。
ところで「緋」という字だが、いうまでも緋色のことだ。英語でいうところのスカーレットである。
緋色はやや黄色がかった赤であるが、ヒカンザクラの花もかなり赤い。とはいえ、真っ赤ではなくどちらかというと濃いめのピンクである。
この真っピンクが、薄紅色のソメイヨシノとの大きな違いであり、沖縄の桜の特徴である。

上は八重岳のヒカンザクラ。ソメイヨシノとは明らかに違う花の色やしっかり感が特徴だ。

こちらは桃の花である。濃いピンクのヒカンザクラの花は桃に近い。遠目にはほとんど区別がつかないだろう。

 

逆方向に進行する桜前線に注意

さて、1月も半ばになるとヒカンザクラが本島北部で咲き始めるわけだが、寒いところから咲き始めるのもソメイヨシノとの違いだ。
方角でいえば北から、高低でいえば高い方から咲く。つまり北部の山のてっぺんから咲き始め、それが麓に向かって広がり、さらに中南部へと桜前線が南下していくのである。
これは、ウチナーンチュにとっては常識だが、日本人にとっては驚きだろう。桜が北海道で咲き始め、東北→関東→九州と南下していったら、日本人の季節感は崩壊するに違いない。

 

やんばる三大桜祭りを制覇しよう

桜祭りも本島北部から始まる。2024年はもとぶ八重岳桜まつりが1月20日(土)から2月4日(日)まで開催される。
今帰仁グスク桜まつりは「世界遺産今帰仁城跡と桜のライトアップ」と題して1月20日(土)から1月28日(日)の9日間開催。八重岳に比べると期間が1週間短いが、18:00~21:00のライトアップは見応えがあるのでおすすめだ。
さらに、1月27(土)と28(日)の両日は名護さくら祭りも開かれる。本部、今帰仁、名護の北部三市町村では日本で最も早い桜祭りが催されるのだ。
それぞれに特徴があるので、ぜひ楽しみながらすべて制覇していただきたい。

今帰仁城跡では夜桜も楽しめる。宴会はできないが。

 

花見作法とおすすめの楽しみ方

ところで桜といえば花見である。花見といえば、ソメイヨシノの下でブルーシートなどを広げての宴会が日本のデフォルトだ。
しかし、沖縄の花見では宴会はしない。八重岳ではドライブしながら車窓から楽しむし、今帰仁や名護では徒歩が基本。地面に座り込んだり、酒飲んだりカラオケに興じたりはしない。
このあたりは、移住者にはぜひ踏まえておいていただきたい習慣というか作法である。
さて、ヒカンザクラの花は多少の風では散ったりしない。台風の季節でもないので一気に散ることはまずないし、桜吹雪なんて見たこともない。
1週間かそこらは咲き続けるが、時間が経つにつれてピンク色が濃くなっていくのもこの桜の特徴だ。
しかし、筆者の主観としてこの真っピンクは青空には似合わない。コントラストがきつすぎるのだ。だから、多少ぐずついた天気の時に見に行くのが好きである。
特に八重岳は比較的標高が高いので、曇りの日に山頂近くが雲の中に入ることがある。白くかすんだ世界の中に浮き上がる桜花の紅色。これがすばらしくきれいなのだ。
曇っていようが雨が降っていようが、いや、だからこそ美しい沖縄の桜なんである。

八重岳の花見は基本的に車窓から。麓から山頂までけっこう距離があるので、それでも十分楽しめる。

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吉田 直人 よしだ なおひと

沖縄県今帰仁村生まれ。19歳まで沖縄で過ごし、20代は横浜に住む。大学卒業後は都内の出版社に勤務し、30代でフリーランスとなって沖縄に戻る。その後はライター兼編集者として活動。沖縄移住に関する本など多数の著作あり。

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